八王子城 主郭南西部
訪問 2022年1月
駐車場 有り
案内板 有り
三河遠征の次は
またまた・・またの八王子城シリーズを始めます。
八王子城に関しては、ここ10年余りの間に10回位は行っているでしょうか。
個人的には杉山城を超える圧倒的な訪問回数なんです。
最も近くにある100名城であり、本格的な山城という理由もあります。
八王子市内には同じ北条氏照の居城として知られる滝山城もあります。
続日本百名城に選定されるだけあって、その縄張は極めて技巧的で 「角馬出し」「枡型虎口」などの城郭パーツが見本の様に良好に残されていて大変判り易い。
それでも、4回位の訪問で
もう大丈夫です、えぇ十分に堪能しました・・ という感じになるんですね。
一方で、八王子城の縄張は全体的に ぼ や ぁ~ と した印象を受け、判り難い。
原因としては幾つか考えられ
山城につきものの「大堀切」のような判り易くインパクトを与える普請が少ない。
現在の登山道が当時の動線を辿ってない箇所もあり、虎口などの位置が不明瞭。
そしてもう一つは、八王子城が未完成の城郭 という点かも知れません。
敵は完成まで待ってくれない・・
と言うの当たり前の築城条件が近世城郭とは決定的に異なる点でしょう。
前置きが長くなりましたが、判り難い故に訪問する度に
新しい発見があると言いますか、探して考察(妄想)する楽しみが多い城郭ですね。
富士見台より撮影した富士山
さて前回は「主郭北部」を中心に一般的には余り立ち寄らないエリアを紹介しましたが、今回は更にマニアック度を上げたエリアになります。
前回の記事に興味があるマニアの方には
今回は更に需要が怪しい内容になりますが、ご興味ある方のみお付き合い下さい・・
さて、今回の訪問ルートはこちら
地図1枚では納まらないので上下2枚です。
これに
ルートとポイントを加筆。
右上のP(駐車場)からスタートして
オレンジ色は1月上旬訪問ルート
太鼓郭のある尾根を登り、富士見台へ至る稜線を辿り、最後は詰めの城の「伝天守郭」から主郭へ戻るルート。
緑色は 1月下旬の訪問ルートです。
麓の居館跡から谷合の古い林道(城山林道?)を遡り同じ稜線に出て、富士見台とは反対側の稜線を辿り、唐沢山~愛宕地蔵尊~小仏の関所 へ至るルート。
今回は、オレンジ色の太鼓郭ルートの紹介ですが、どちらも共に共通しているのは、城郭遺構よりトレッキングルートの紹介に近い内容になってます。
そんなルートと八王子城の関係性ですが・・ここからは全て妄想です。
地図の下段に中央道と並行する旧甲州街道があります。 八王子城築城時は五街道としての整備前で後日紹介予定の小仏の関所もまだ設置されていない時代ではあります。
しかし、西からの領内侵攻を想定した占地を以て築城された八王子城なら、当然なんらかの備えがあってもおかしくない・・(妄想)
八王子城の主郭からは、今回辿った稜線が視界を塞ぐので旧甲州街道は全く見えないんですね。
コロナで遠出もできないし、いい機会なので歩いてみよう という事で出発した訳です。
一応グーグル先生のマップも載せておきます。
さて、連休中という事もあり駐車場はいつもより賑わっております。
登る前に模型で確認します。
今回のルートと、目印になる堀切を青線で加筆。
赤丸は 主郭部と麓の居館部。
さてさて、御主殿へ行くルートの途中から太鼓郭尾根を目指します。
目印はこの竪堀に掛けられた橋。
時間は11時
踏み跡が薄く、若干道が曖昧ですがとりあえず稜線を目指して上に登ればok。
尾根上に展開する「太鼓郭」群は以前紹介済なので、ここではダイジェスト的に写真を載せるにとどめます。
こんな巨大堀切が幾つも登場しますよ。
以前の記事はこちら
主郭部では崩落が進んで判り難い当時の石積み遺構もかなり残存しています。
尾根上の郭内部の様子。
尾根上を削平化して細長い郭が連続しています。
大堀切手前の櫓台跡と思しき石積み遺構。
こんなに良い遺構が残るのに、八王子城を訪れた人にはほぼ気付かれない遺構群。 勿体ない。
ここが最後の大堀切。
ここから先の尾根筋は八王子城の縄張外になります。
太鼓郭を含む太鼓郭尾根ですが、日帰り登山者やトレランの方がそれなりに歩かれていますので踏み跡は明瞭にあります。
郭群を抜けると尾根幅がぐっと狭まり、細かいアップダウンが増えます。
太鼓郭部がいかに人為的に均されていた地形なのかがはっきり体感できます。
途中、作業道の分岐がありますが、真っすぐ尾根上を辿ります。
ようやく太鼓郭尾根の付け根に到着。
ここで稜線を辿る登山道と合流します。
遺構をゆっくり見ながら登り 時間は 12時
太鼓郭尾根の分岐を引きで撮影。
画像左手奥が太鼓郭尾根の始点、小さいながらも標識があります。
稜線ルートは、ごく普通の日帰り登山コースで
分岐のある421mの小ピーク → 熊笹山 → 富士見台 → 八王子城 と辿ります。
しばらく道なりに進むと
これは・・・ 竪堀のような溝が斜面に落ちてます。
場所は、421m小ピークの手前、二重の赤丸の辺りです。
竪堀はちゃんと南側(旧甲州街道)方面に延びています。
でも、本当に八王子城の遺構??
何でも遺構に見える病による妄想かな?
と、思いつつ更に進むと
この斜面、切岸に見えて仕方がないんです。
場所は 同じ2重赤丸地点です。
人為的に小ピークの斜面を削り込んで険しくいるように見えませんかね?
切岸らしき地形を登ると郭の削平地のような平坦地まであります。
削平地のペイントが目印になりますかね。
272でいいのかな? でも標高は300m以上ある所なのでこの数字はなんでしょうね?
ひとまず勝手にここを272高地と仮称する事にして、先を急ぐことにします。
次回紹介予定の御主殿からのルート分岐を過ぎて
「熊笹山」の小ピークに登ります。
名前そのままに笹が特徴。
熊笹山は山頂部が広く、山城を築くには良さげな地形に思えるのですが、特に明確な遺構は確認できませんでした。
展望が開けず山頂に登った感はイマイチ。
時間は 12時30分
と 言いますかここまで全然眺望がないんですね、旧甲州街道方面は全く見えない状態が続きます。
切りがいいので 次回
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