網代城
訪問 2018年5月
駐車場 無し
案内板 有り
中断してた都内のお城編の続きです。
網代城は、前回紹介した戸倉城から秋川を下ること約2キロ程の距離に位置する城山山頂部を利用し築かれた古い形式を残す山城になります。
城山は稜線の鞍部を挟んで弁天山と隣接し、周囲の丘陵地からは南側の支尾根1本で繋がる半独立丘陵状の地形になります。
また、北側には秋川挟んで五日市の平野部を望む眺望にも優れた立地になります。
麓からの比高はさほどもなく、丘城と呼んでも差し支えないかと思われますが、地山の地形が思いの他険しくここでは網代城の事を山城と呼称します。
弁天山山頂より東側の眺望を撮影。
観覧車背後には戸吹城、更に右後方は滝山城方面。
場所は以下のURLを参照して下さい。
今回の訪城ルート。
網代城訪問に当たって一番の問題は車の置き場所でした。
付近には全く駐車スペースがなく(小峰公園駐車場が使えるらしいですが)今回は東西に延びる尾根を縦走する関係で、麓まで降りてから駐車場まで戻るのは面倒だ・・・
ええぃ、駅から歩いてしまえ!
と 言う事で 武蔵五日市駅から徒歩で訪城し、帰りは武蔵増戸駅からJRに乗るルートを辿りました。
こちらが縦走路西側の入り口。
目立たないのですが・・
案内も一応でてますが小さい。
ルートは良く整備され歩きやすい。
と思ったら、この階段が地味に長くて・・太ももに乳酸が溜まります。
道中眺めも良くないし、トレッキングが趣味の方にとっては余り魅力を感じないルートかも。
地味な階段地獄を突破すると、早くも城山山頂(網代城主郭)に到着。
狭い郭面積、山頂部を均一に均しただけの素朴な郭ですね~
主郭設置の案内板の掲載でお城の紹介としますね。
図の左手から登って来たのですが、途中に堀切があったようです。
主郭から振り返って登って来た道を撮影。
さぁ、この中に堀切が隠れています。
判りますか? 判らないでしょう。
実は現地で見ても、・・これ? かな?
位しか判断がつきません。
北側の支尾根にも堀切があるようなのでこれを撮影。
はい、こっちも全然判りません。
同じ堀切を反対側から撮影。
画像左手の幹の後方に切岸状の地形があって、その手前が僅かに堀切られてますが、堀切の遺構としては痕跡程度。
土砂による遺構の埋没ではなく、網代城自体が元々が簡素な造作しか施していなかった、堀切も浅く掘られていたに過ぎないと推定。
こちらは主郭を東側稜線から見上げて撮影。
主郭周囲の切岸面と手前稜線沿いの段郭が確認できます。
段々郭の様子はこっちの方が判り易いかも・・
城跡の情報無しで山を登っていたら城郭遺構に気づけたか・・かなり怪しいですね。
そのくらい網代城の遺構は薄いです。
そのまま隣の弁天山を目指します。
長い下り階段が膝に攻撃を仕掛けます。
城山山頂と違い、こちら弁天山は奇岩の並ぶ荒々しい山頂です。
そして、眺望が抜群。
当時は物見台でも置かれていたのでしょう。
右手の丘陵地に沿って流れる秋川は、観覧車の所で「戸吹城」 多摩川との合流地で「高月城」、更に下流で「滝山城」の脇を掠めます。
ここからは余談で、弁天山東麓の紹介になります。
一帯は「網代弁天山公園」の敷地内のようです。
何かの廃墟らしき遺構があったので撮影。
こういうのも結構好きなんです。
後日、調べると昭和30年代まであったケーブルカーだかロープウエイの遺構との事。
網代弁天山、当時はそれなりに観光需要があったという訳ですかね?
軌道の跡もしっかり残ってますね。レールや枕木は無かったのでロープウエイだったのかな?
こちらは貴志嶋神社社殿。
社殿から少し離れた所にある「弁天洞穴」
穴の中は真っ暗でちょっと怖い位です。
東側の登山口はこの特徴のある鳥居。
画像左手は都内では貴重な棚田だそうです。
所要時間 1時間半 (麓から麓まで)
網代城の評価は 3 とさせて下さい
お城単体としては、写真にほぼ写らない程度の浅い遺構ばかりで見所としては推し難いと言わざるを得ません。
元々が険しい地山の地形を最大の防禦とした城郭で、築城時の造作工事は最低限に抑えていたのではないでしょうか。
今回は、弁天洞穴や棚田等の見所ポイントを足しての評価3です。