ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

八王子城 御主殿の滝とその奥に潜む遺構 2

「1」の続きと参ります。

 

今回の「2」は

御主殿の滝の背後からスタートします。

 

八王子城 主郭直下の竪堀? 遺構

 

また陰陽図に登場してもらいます。

 

2022年12月訪問が オレンジライン

2023年5月訪問が  赤ライン

 

 

まずは 2022年12月分から

御主殿の滝を背にして城山林道を奥へ進みます。

林道と城山川は画像中央で直交して、林道左手が御主殿の滝側。

画像右手の城山川は土砂の堆積により枯れ沢になっています。

 

やがて林道終点の追分に到着。

 

 このルートと貯水池の件は、以前掲載した

八王子城主郭南西部編の3」 でも少し触れています。

kurokuwa.hatenablog.com

南西部編では、画像正面の登山道を登りましたが・・

 ※位置は南西部編の加筆地図では「分岐」と表記した地点

 

今回は左向け左で 城山川の川底を歩き

 

 

川沿いの石積み遺構などを確認しつつ

あっ

これは八王子城とは無関係でしょう

 

 

ここに古びた虎ロープが垂れた作業道があるので登ります。

ここは「太鼓郭尾根」なので登りきれば稜線上の遺構のどこかに出るわけです。

 ※足元の石積みは八王子城とは無関係・・隙間にモルタル充填してますしね

 

作業道を直登すると

 

やがて

中腹部に石積遺構が現れます。 幅はこの画像のままです、なんですかね これ。

 

 

人の背丈を少し超える程度の高さですね。

 

似たアングルですが、 これも八王子城の遺構と含めてよいものか・・

 

上から同じ石積みを撮影。

石積みの上はすぐ斜面で人が歩ける余地はありません。

 

更に上を目指します。

何用の作業道なのかな? 無茶苦茶なルート設定で斜度が尋常ではない

 

ようやく太鼓郭尾根の稜線に到達

 

登り切った先はちょうど大堀切の堀底に位置します。

 

振り返って撮影。

 目印は赤リボンと虎ロープ

 

先の大堀切を上から撮影。

 ホントここの大堀切群はどれも素晴らしい規模。

 並みの山城ならこれ1本あればもう十分と思えますが、こと太鼓郭尾根はこんな大堀切が群れを成してお出迎えしてくれます。

 

 

さて

 

肝心な中腹部の石積遺構ですが

 

個人的には八王子城とは無関係と判断しました。

 

後世に施工された土木工事でしょう。

大堀切の直下という位置から推測して竪堀遺構の土留め工事 じゃないですかね。

 八王子城の防衛用と仮定しても、この位置に石積みを施す意味がない。

 

 しかしこんな遺構が人知れず眠っているから面白い。

 

 

 

次に

2023年5月訪問分です。

 

いつもの追分地点を

 

 

今度は 右向け右です。

 

城山川の右手を流れる支流沿いを登ります。

ちょうど右側に八王子城の主要部を見上ながら進む位置関係ですね。

 

こっちのルートはかなり荒れてます。

 ピンクリボンもないので人が立ち入る事も稀でしょう。

 

八王子城主郭南西部編の3」 で用いた図を再利用します。

今回は、分岐?の追分から 青い線の谷筋ルートを辿ります。

 

 

ほぼ踏み跡も消えたルートを進むと砂防ダムに到着

陰陽図の右の赤丸地点

 

砂防効果抜群と申しますか、よく堆積してます。

 考えてみれば「御主殿の滝」  あれも砂防ダムの役割で造られてませんか?

 

そんな妄想をしながらダムの上から川底を記念撮影。

 

ダムから先は道が完全に消滅してルートが判りません。

仕方がないので

 

川底を進みます。

足元に人の生活痕があるのがちょっと不気味

心霊よりもこっちの方が怖いですね。

 

しばらく川底を進みますが 目立った遺構はなし

 元々 さほど期待して歩いてはいないので、それは問題なし。

 

たまに道が復活したりもしますが・・川底の方が歩きやすいですね。

 

 

このまま奥に進んでも無駄足かな? と思いつつ辺りを眺めると

 

 

右手の藪の奥に

なんか、それらしい地形がある・・

川底から撮影した切岸面のような地形

画像左手、低木に隠れてますが竪堀らしき溝状地形が山頂に向かって伸びてます。

 

陰陽図の左の赤丸付近です。

 

竪堀と交わる切岸の角は綺麗に直角。

 

左手の竪堀状地形

 

位置はこの辺り。

直上に「駒冷やしの大堀切」か、やや西にずれた位置関係です

 

竪堀状地形をしばらく登りますが藪に阻まれて断念したところ。

竪堀なのか自然の谷筋なのか、判断は付きませんでした。

 

切岸を登って郭状の平坦地から竪堀状地形を見下ろして撮影。

 竪堀挟んで反対側にのような平坦地が確認できます。

 

同郭状平坦地から登ってきた川底を撮影。

 

平坦地は切岸面から10mほどの帯状に広がっています。

その奥は自然の緩斜面となります。

 

 

 

2023年5月訪問分のまとめ

 

この地形は八王子城の遺構なのか??

 所詮素人なので結論は出ませんが、少し可能性を考えてみます。

 

否定材料としては

・長年の河川の浸食によって切岸に見える地形になった

 (砂防ダムの砂利の堆積具合からも)

・竪堀に見える地形は自然の枯れ沢

・「何でも遺構に見える病」による勘違い。

 

肯定材料としては

・位置的に、八王子城の主要部直下なので防衛ラインがあっても不自然ではない。

「郭?」内部は緩斜面ながら、切岸際は平坦地なってとして成立している。

・なんとなくっぽい・・(これはもぅ勘でしかない

 

個人的には判断としては

 何らかの人為的な改変が加えられた地形には思えます。 

 八王子城の遺構である可能性が高いものの、後世の土木工事や天然の浸食作用による可能性も否定できないかと。

 

 

 

なんとも歯切れの悪いまとめになりましたが今回は以上とします。

もう一回行くしかないかも・・

 

 

八王子城ネタが増えすぎたので

 ブログカテゴリー に 八王子城 を設けました。

 

 

 

・参考文献  巨大山城八王子城 精密ルートマップ

 

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おまけ

ガイダンス施設近くでくつろぐ子猿さんたち