ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

八王子城 主郭北麓 5  西方堡塁群  堡塁北部・水平道1 編

八王子城 主郭北麓 4 横沢の滝・堡塁末端部 編  の続きと参ります。

 

 

西方堡塁群の北端尾根に取り付いた所から再開します。

縄張り図には新たに曲輪名と伝承地名等を追記しました

図左上の「尾根鞍部」は後半で紹介します。

 

 

紹介ルートをオレンジ線で加筆

「西方堡塁群」の稜線には水平道が2本直交します。

 仮称で下の道を「水平道1」、上を「水平道2」と呼称する事にします。

 

 

今回は、稜線北端部から「水平道1」を西に突き進む回です。

では早速続きと参りましょう。

 

 

※この先は特に保存状態の危うい遺構が続きます。

 興味を持って訪問する時は、絶対に遺構を傷つけないようにお願いします。

 小石一つも動かさずに(位の気持ちで)お願いします。

 

道はないもの、何とか稜線を這い上がると、痩せ尾根に出ます。

 

ほぼ自然地形のままですかね

 

更に這い上がります。

上に削平地が見えてきます。

 

斜面には崩落した石積み石が散乱してます。

削平地手前の切岸にでも用いられていたのでしょう。

 

石積みを超えると削平地に出ました。

西方堡塁群北端の郭と推定。

 

予想の通り、郭の西側のみに夥しい石積み遺構が残ります。

 

斜面に降りて撮影したいのですが、このアングルが限界。

 

内部の石積みは長い年月を経てほぼ崩落し、今は散乱した石が列をなしているだけですが・・

 

斜面には僅かに崩落を間逃れた石積みが残ってます。

 

下に降りられないのが実にもどかしい・・

 

正面から見たいが足元が危ない

それより無理して降りることで脆く積みあがった石積み遺構を壊すリスクを考えると ここで我慢です。

 

 

しばらく稜線を登ると

「水平道1」との交点に到達。

幹に赤十字のペイントされた樹木が目印ですね。

 

横から石積み遺構が見られそうなので「水平道1」の右側に足を延ばします。

 

 

早速いい感じで石積み遺構が

 

 

説明不要の見事な石積み遺構群。

400年以上も風雪・地震・人の往来などの破壊からよくぞ耐えて残ってくれました。

しかし、いつまでこの状態を保っているか判らないので写真を多めに載せておきます。

 

 

 

 

この水平道から見上げられるのも素晴らしいロケーション。

間近で見られにも関わらず遺構を傷つけるリスクが少ない。

 

またしても 石の大きさを測り始めてます・・・祈壇開口部の寸法と良く似てるんですよね何故か。

 

もう少し「水平道1」を進んでみます。

 

倒木を超えると

 

別の石積み遺構が現れます。

先ほどの石積みとは石の積み方が異なり法面全体に石積みが施されてます。

土木工事の擁壁工事のようなロックフィルダムを見上げたような印象です。

 

 

なんでしょこれは?

 やや小さい石が用いられているようにも思えます。

 

実は、ここが冒頭で触れた「尾根鞍部」です。

「水平道1」から見上げるだけでは意味が判りませんが

稜線側から見下ろすと比較的判りやすい。

 ここ本来は尾根の鞍部で地形的に凹んでいた部分

 

この部分ですね

法面工事で嵩上げして尾根筋の高さを揃えてます。

「普通の」山城であれば、鞍部は深く鋭く掘って堀切などの遮断系の防衛線プランにしそうですが、八王子城では全く逆の設計思想に基づいて普請されてます。

 

 

話を水平道に戻しまして

谷底に達した所で倒木で行く手を阻まれこの先は廃道状態なので 引き返します。

 

 

 

次回も引き続き 西方堡塁群北部の紹介

八王子城主郭北麓  6  堡塁群~詰め城まで 編  にて

 

他の八王子城関連はリンク集から

 

kurokuwa.hatenablog.com

 

 

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kurokuwa.hatenablog.com

 

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