八王子城 主郭北麓 3 棚沢の滝(下)編 の続きと参ります。
ひとまず状況説明です。
前回登場した「棚沢の滝(下)」に加えて新たに「横沢の滝」が登場します。
ここでルート紹介も再び登場して
今回取り上げる範囲は四角エリアに絞ってます。
「細久保谷」最奥部を塞ぐ「棚沢の滝(下)」から「西方堡塁群」北端部を目指します。
更に拡大してオレンジ線で登攀ルートを、滝を白い線で加筆。
では
説明はこのくらいにして 早速
前回紹介した「棚沢の滝(下)」を登りましょう。
もちろん無謀な滝登りではなく
右側にピンクリボンが続くルート設定があり
登れるといえば登れる・・ ここは緑色の難易度ルートです。
明確な踏み跡はないので幹を伝って捕まりながら山肌を登る事になります。
なんとか滝上に出られました。
滝右側の岩棚から滝つぼを見下ろして撮影。
この位置に警戒部隊が配置されていたように妄想中。
滝の奥は沢登りですかね・・
気になりますが好奇心だけで安易に突撃しては危険なので 沢登りは別の機会にして
ピンクリボンに従って更に山肌を登り続けます。
おっ これは
渓谷が左手に見えてきました。
引きのアングルで。
こちらが「横沢の滝」。
滝と名乗ってますが実際は岩盤むき出しの渓谷のような地形。
渓谷は写真の奥で「西方堡塁群」西正面の谷状地形に繋がり天然の防衛線を形作ってます。
同じような写真で恐縮ですが、画像左上から「横沢の滝」の渓谷へ降りて来る稜線が「西方堡塁群」の尾根筋です。
つまりこの岩盤天然堀切が「西方堡塁群」の北末端になります。
「横沢の滝」を挟んで稜線を正面から撮影。
段郭が滝の岩盤まで続いており、回り込むんで侵入するのはかなり困難に思えます。
なんだかんだで撮影しながらも登ってきました。
いくつもの滝を八王子城の防衛プランに組み込んだ縄張りに関心しつつ・・
登りきると正面に水平道が見えてきます。
再び水平道に合流しました。
こちらのルートは危険に加えて「棚沢の滝(下)」が見られないデメリットもあり
「横沢の滝」に繋がる谷を巻いて「西方堡塁群」の稜線に回り込みます。
ルートを記入した所。この辺りは作業道ながら踏み跡が明瞭です。
ちょっとした堀切より堅固な遮断線ですよ、横沢の滝は。
岩肌はほぼ垂直で登り降りはまず不可能では。
似たアングルですが
こちらは「横沢の滝」の反対側を撮影。
藪々で地形は判り難い画像ですが、左手上方向が堡塁群のある尾根筋になります。
西方堡塁群側から登ってきたルートを撮影。
オレンジ色の矢印が「棚沢の滝(下)」から登ってきたルート。
撮影地点を反対側のアングルから。
作業道は稜線の反対側(堡塁群内側)に巻いていきます。
そちらのルートは別で紹介するとして先に西方堡塁群の遺構を確認するので稜線に取り付きます。
では
道はないけど適当に登ってみましょう。
斜面には石積み遺構が僅かに残ってます。往時をぐるり巡らせてあったのでは?
ここまでのまとめ
初回の 「主郭北麓1」で触れた
西方堡塁群の北側に隙間がある問題
実地で歩き廻ると、2本の崖地形(滝)と天然の竪堀によって備えられていることが判りました。
次に、上の図で白丸を付けた「水汲みの谷津」呼ばれる谷合の空間。
ここは、全周を防衛線によって守られた特殊な空間であったことも判ります。
「水汲みの谷津」の八王子城での役割が気になりますが、はっきりした事は不明のままではあります。
次回は 西方堡塁群の北部の紹介
八王子城主郭北麓 5 堡塁群・水平道1 編 にて
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