ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

八王子城 主郭北麓 3  搦め手からの奇襲ルート辿る 棚沢の滝(下)編

八王子城 主郭北麓 2  清龍寺滝編 の続きと参ります。

 

 

搦め手奇襲部隊が通り抜けたと伝わる「細久保谷に向かいます。

清龍寺滝の分岐まで一旦戻り、正面のルートを進みます。

 

付近の縄張りに

 

そしてルート案内。

図 右上の 3-1   ~ 3-4 までの番号順に紹介します。

 

3-1

清龍寺滝の分岐点から十数メートルで再び分岐点が現れます。

左手の八王子城山」方向が正規の登山道ですが、右側の作業道を進みます。

作業道側には案内は出ていません。

 

一応矢印にて

 右ルートはちょっと薄暗く入り難いのですが・・ 思い切っていざ。

 

若い植林地の中を通り抜けます。

最近枝打ちされて日差しが入ってきますが、以前 ↓ の様子は

 

昼間でも真っ暗・・・ 

圧倒的な不気味さで来るものを阻んでました。

 このルート、実は心理的な障壁の高いポイントがもう一つあります。

 

植林地を抜けると沢沿いのルートに変わります。

 更に進むと

 

3-2

廃神社「清龍不動」の脇を抜けます。

 日差を浴びた画像を選んで載せてますが、実物はこの先進むのを躊躇うくらいには不気味さを醸し出してます。

 

廃神社って 何か独特の禁忌を感じませんか?

 近づいては駄目!  と 本能が警告を発してくるような・・      

 

 ※過去には鎌田城で怖い目に遭っているので、気づいたら同行者が増えていた・・・なんて事には注意しなければなりません。(冗談ですが)

 

こちらは参考画像の 「清龍不動」日陰ver 

 初見は横を通り抜けるのも躊躇いましたよ、その内慣れましたが。

 

 清龍不動は2本の谷筋の合流点に生じた狭い平坦地にあり、立地的には「細久保谷の入口を扼するので八王子城の何らかの普請があっても良さそうですが、特に明確な遺構は確認できませんでした。

 

 ここを突破されると本丸を含む主郭部分の背後へ敵の侵入を許す事になり、当時は何らかの障壁は設けられていたとは思いますが。

 

 

一応

お社も見ますが内部は荒れ放題です。 

写真は額だけ接写してますが内部は撮影してません。

 

「清龍不動」お社からルート奥部を撮影。

ここから細久保谷の枯れ沢を渡ります。 谷底にも関わらず平坦地が確保されているのが判ると思います。

 谷底の平坦地は、丹念に観察すると段郭状に地形を改変した痕跡が見てとれます。

 

沢を渡ってから「清龍不動」を撮影。

石積みの遺構が見えると思いますが、恐らく後世の擁壁工事によるものかと。

 

似たような画像ですが、全体の平坦地の様子です。

 沢がCの字に清龍不動を囲んでいるので、簡単な陣地として利用できないこともないかも?

 

 

 まぁ、あまり長く居てよい場所ではないので奥に進みます。

「細久保谷の谷底に作業道は続きます。

遮断を意識した防衛線はありませんが、谷底は人為的に均された郭状地形が残ります。

 

段郭の跡・・写真の腕がイマイチで伝わりませんね これは。

 

更に谷底を進むと

石積み用の石切り場? かな。 

大量の寸法の揃った石が斜面に転がります。

 

大きさ、質感共に八王子城石積み遺構の石材と良く似てます。

 

 

などと歩き進めると

3-3

水平道(右側)への分岐点へ到達します。

 どちらの分岐を進んでも後で合流するので結果は一緒ですが

 

 

右の水平道ルート(緑ライン)は全く推奨しません。 かなり荒れて踏み跡も薄い廃道に近い状態です、 

直線の沢沿いルートの方が危険は少ない。

 

 

分岐を直進すると右手に炭焼き釜の跡があり

 

釜の背後で枯れ沢を渡り、以降作業道は川底を辿ります。

 

枯れ沢を渡ってから振り返って撮影。

 

背後の斜面を舐めるように見ると・・作業道の痕跡のようなのが・・

 

見えなくもない??

興味本位で行くと遭難するのでパスします。

 

例の奇襲部隊の事ですが、

 

 この辺りから山肌を強引に直登できれば八王子城主郭部「小宮曲輪」の背後を急襲できる位置関係なんですね。

 

 ただ、ご覧のように森も深く斜度も険しく適当に斜面を登って何とかなる山には思えません。

 小宮曲輪に直接行けるようなルートが埋もれてないか? と斜面を眺めつつ進んできましたが結局それらしいのは見つからず。

 

それでは

ここからは「細久保谷の川底を進みます。

 こんなルートで合ってます??   と不安になるものの

 

ピンクリボンが枝についているのでルート的にはあっている様子。

 ※リボンへの過信も駄目ですが

 

 

ここで参考用に 3-3 から水平道の様子を少し載せます。

分岐点から水平になるまでは急な登り坂です。

枯れ葉が積もって滑りやすいので早速危なっかしい。

 

場所によって道幅は人より狭く

 

路肩が崩れたりなど・・荒れ放題。 踏み跡が全然ないのが判りますかね?

溜まった落ち葉で滑り易く、滑落したら谷底まで一直線に落ちます。

無理して進むルートではないですよ。

 

 

 

説明はこのくらいにして

「細久保谷ルートに戻ります。

清龍不動から歩く事15分ほど

谷の正面に山肌が立ち塞がるように見えてきました。

 

 

ここから数歩ばかり進むと

谷の正面

3-4

棚沢の滝(下)    が目の前に現れます。 

 

棚沢の滝の落差は5mほどに過ぎませんが、滝を形成する断崖地形が滝の両側まで広がり天然の岩盤切岸として侵入者を阻んでます。

 

 

 

こんな所を奇襲部隊が登れたんですかね?

そもそも

滝の右側にある岩棚辺りとかに監視役がいればその時点で奇襲攻撃は失敗ですね。

 

 

滝の両側も急斜面か岩壁。

 

さて、

これから滝の上にどう登るかな・・

ルートあるの? と思えますが

 

実は

この辺りにピンクリボンと踏み跡があるので登れました。

 

こちらは滝の左手側

つまり八王子城の主郭方向を見上げたアングルです。

滝の崖線の延長線上に岩盤竪堀が斜面を登ってます。

 

竪堀の立体感って写真で伝えるのが難しい・・どうしても平面になりますねぇ。

 深さは人の背丈を優に超えます。

 

 

所で、この岩盤竪堀、人工的に開削された物でしょうか?

好奇心に負けて這い上がっている途中で撮影。

 

やらなきゃいいのに・・・ この後 降りられなくなるとは思いもよらず呑気なもので(何とかなりましたが・・)

 

こちらは見通しの良い所まで這い上がった所で撮影。

岩盤には人為的に削り込んだ痕跡もなく、自然の沢のようでした。

沢は「本丸」「小宮曲輪」の間まで続いているように思えますがここから這いがるのは無理でしょう。

 

 

 

紹介した内容のおさらいです

 「細久保谷の入り口たる 「清龍不動」 から谷からの侵入者を阻むように立ちはだかる 「棚沢の滝(下)」 の手前までが紹介範囲です。

 

 棚沢の滝(下)右側のオレンジ色の線は天然の岩盤竪堀を表した線です。

 

 

搦め手側「細久保谷か奇襲を成功させるには

2つの天然由来?の障壁「棚沢の滝(下)」「岩盤竪堀」を突破しなければ奥に進む事は叶いません。

 

 常識的に考えれば「棚沢の滝(下)」辺りに守備兵を置かず全くの無人とは考え難く、滝の前でもたつけば奇襲も覚束ない無謀な強襲になるでしょう。

 

 

 

 

 

次回は 棚沢の滝(下)より更に奥に向かいます。

八王子城主郭北麓  4  横沢の滝・堡塁末端部 編  にて

 

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