青柳城
訪問 2018年 8月
駐車場 有り
案内板 有り
少し間があきましたが長野の山城編の続きです。
今回は、中世城郭好きには見事な石積遺構で知名度の高い青柳城の紹介になります。
青柳城 1郭 石積み遺構
場所は以下のURLを参照して下さい。
現地縄張り図を掲載します。
尾根上を堀切で遮断線を構築した典型的な山城の構造です。
青柳城への訪問は縄張り図右側(山頂側)の車道からです。
麓からは想像できないのですが、尾根上が高原になって開けているので車での訪問が可能です。
夏でも労せず訪問できる有難い山城遺構と言えるでしょう。
現地案内板の説明を掲載します。
長野県史跡青柳城跡及び館跡
清長寺の館跡・その下の寺小道の両側の侍屋敷・青柳城山の山城を合わせた中世の城跡である。
始めは、坂北村全部と本城村の大部分を本領にしていた青柳氏の城であった。
青柳氏滅亡後、武田信玄は川中島への拠点として改修し天文22年(1553)にここに10日間泊まっている。
天正11年(1583)4月から翌年までの1年間小笠原貞慶と上杉景勝との間で、ここと麻績城の取りあいが4回繰りかえされた。
天正15年に青柳氏が滅亡して、小笠原氏の家臣の松林氏が在番している。
実戦の行われた数少ない城の内の一つである。
山城には武田・小笠原の改修により、各時代の特色が残っている。
さて、この獣除けのゲートの先に青柳城の入り口があります。
全部ガラガラ開けて車を入れるのも面倒なので、今回は手前で路駐させてもらいました。
ゲートの先には専用の駐車場とトイレが完備されてます。
櫓門らしきものが再現されてますので、こちらから青柳城にお邪魔します。
青柳城は緩い勾配の一本尾根上に築かれており、基本的に尾根を下りつつの訪城になります。
山城訪問は通常は麓から登るものですが、今回は全く逆の順序になりますね。
青柳城の縄張も、最も標高の低い立地に主郭と思しき「郭1」を配してるので、背後の高地からの攻撃に備えた縄張りと言えるでしょう。
土塁やら堀切には案内板が設置されて判り易く整備されてます。
夏場にも関わらず草もある程度刈り取られているようで非常に訪問しやすい環境が整えられています。
さて、巨大堀切に遭遇です。
訪問から1年半・・ここから先は記憶が曖昧で自分でもどこの堀切や土塁を撮影したか判らなくなってますね。
記憶があてにならないので撮影順に掲載します。
堀切の底から撮影。
堀切面の崩落した石積み遺構。
破格の規模を誇る堀切の遺構。
撮影順序から5郭手前の2重堀切かと
堀切先の土塁遺構。
5郭内部の様子。
正直言って尾根道以外はほぼ藪で遺構は判りません。
4郭先の土橋の標識を撮ったはず・・
4郭から尾根の鞍部に位置する3郭を見降ろして撮影。
この辺りから記憶が残ってます。
画像正面奥の土壇状の遺構が2~1郭、青柳城の主郭部です。
3郭とその先の縄張に関しての案内板。
2郭虎口から見上げて撮影。
虎口動線の90度の折れは現在でも明瞭に確認できます。
そして2郭から振り返って撮影。
1郭正面の切岸面。
この面もかつては石積みで仕上げられていたんでしょうね。
こちらは右手に残る素晴らしく良好な状態の石積み遺構。
よく崩れずに残ってくれたものだと感謝したい気分。
近世城郭の整った石垣も悪くないですが、私の好みは断然こっちですねぇ。
石積みに沿って歩きます。
中間辺りが膨らんでいるのは背後の水圧などによる影響ですかね?
折角なので石積みの接写を試みます。
石積みの上、1郭に登りましょう。
ここ、虎口も見所です。
素朴な山城かと思えばこのような技巧的な縄張りを併せ持つのが青柳城の特徴でしょうか。
実質的な主郭である1郭内部の広さは まぁこの位です。
狭いですが、山城の主郭としては標準位の広さですかね。
石積みを上から撮影してみました。
素朴な積み方、絶妙な苔・・全てがいいです。
1郭先端には肉厚の土塁が巡られてます。
丁度三角点もありますね。
これが1郭 土塁線上からの絶景。
緩い下り勾配の尾根筋がここからは一気に下ります。
足元を走るのは長野自動車道。
今も昔も交通の要衝を睨む立地という事でしょうか。
さて ここからはおまけです。
帰りの道中
こんな切通しの案内を見つけたので寄り道することに
おぉ なんかすごい
岩盤を見事に断ち切ってますね、
現役の車道なのがまたいいじゃないですか
見上げると無数の石仏が、これがまたいい味を出してるんですね。
歩いて通り抜けます。
いいもの見させてもらいました、寄り道にしては大収穫でしょう。
さて、以上で2018年 夏休みのお城訪問は終了です。
え? 長野まで行って お城一つ見て終わり?
と、思われそうですが 他にも幾つか訪問こそはしてます。
同じ日、長野県内の某城の登山道標識。
標識の奥はこんな具合です・・・
山城へは主郭にある御社への参拝道や林業関係の作業道を利用する事が殆ど。
一般的な登山道と違って夏場はこの写真のように藪に埋もれてしまいます。
ここも人の背丈を超える夏草で完全にシャットアウト、入口だけ確認して撤退です。
通年で整備されてるのは八王子城とか小谷城のような著名な山城ぐらいでしょう。
青柳城の評価は 4 とさせて下さい。
余談が多くなりましたが、青柳城の評価はかなり高くさせてもらいました。
要所の虎口の技巧性・貴重な石積み遺構など、城の規模の割に見所が多くあります。
草枯れの時期なら、尾根下の段郭や竪堀をもっと見られたのでしょうが、それでも十分満足のいく訪城です。
また、帰りに立ち寄った切通しもお勧めで、それを含めると評価5でもいい位でしょう。
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