根小屋城
訪問 2017年 11月
駐車場 有り
案内板 有り
まだまだ続く真田の里の山城シリーズですが、今回は尾引城から西へ1キロ弱というこれまた非常に近い所にある山城「根小屋城」になります。
こちらも近隣同様コンパクトな城域の山城ですが、石積み遺構が豊富に残る見ごたえのある城跡になります。
また、後々触れますが隣接する尾引城とよ~く似ているんですね、色々と。
根小屋城 主郭虎口部 石積み遺構
場所は以下のURLを参照して下さい。
またしても登場の付近訪問済城郭の分布図。
根小屋城は前回の尾引城と神川を挟んで相対した位置関係にあります。
それにしても この二つの城、近過ぎないですかね?
では、早速お邪魔する前に 遠景写真を一枚。
これは南側から根小屋城を撮影したもの、おにぎりと言いますかピラミッド型と表現するのが適切なのか、とにかく特徴的な山容です。
いかにも城が築かれそうな山の形をしてます。
余計な補足ですが空に浮かぶ謎の白い飛行物体は何かが車のフロントガラスに反射したもの。
根小屋城への行き方は、手前の集落を抜けて神川に架かる橋を渡った先の左手にある林道を進みます。
未舗装路ですが普通車でも通行可能。
50mほど進むと入口と案内板があります。
この脇の路肩に車を無理やり寄せて停めましたが結構危ないです。
寄せ過ぎると川にダイブしますよ。
案内板の内容は画像拡大してご覧下さい。
ちなみに「根小屋城」と言う名称の城郭紹介はこれで2度目。
1度目にあたる群馬の根小屋城と今回の根小屋城には関連性はないと思いますよ。
蛇足ですが「根小屋」という名称は一般的には山城の麓にある居館地区の事を指すので、(根小屋・城)とは城を意味する言葉に城がくっついただけ、御岳山みたいなもんですかね。
なので当時の人がこの城を根小屋城と呼んでいた可能性はかなり低いと思います。
案内板の縄張り図を拡大しました。
図を右に90度傾けると尾引城そっくりに思えませんか?
主郭背後の2重堀切とその先の尾根沿い郭の配置などは全く同じ仕様。
では早速 主郭に向かって登り始めます。
遊歩道が主郭まで続いてますがこれが当時の段々郭群を無視して整備されているので遺構が判り辛い。
少し登って案内板方向を撮影。
城の目の前には天然の水堀、要害性は尾引城よりも高い立地か。
斜面には当時の石積みが多数残ります。
石積みの上にある小郭。
更に上を目指します。 結構きつい勾配角度です。
遊歩道整備によって潰された石積遺構。 登り易いがこれは駄目でしょう。
主郭直下の小郭に残る石積み。
主郭虎口に残る石積み遺構も素晴らしい。
虎口に残る石段・・妙に石が揃っていて、これは後世のものかも。
そしていつもの主郭に設置された木製案内板を撮影。
少し退色してますが内容は画像拡大で確認して下さい。
主郭全景。
良く均されています、面積は尾引城よりは狭く天白城よりは広い。
木が隠してますが尾引城方向を撮影。
尾引城より標高が高いので良く見えます。両城は指呼の間。
主郭背後(2重堀切方向)には高土塁が巡らせてあります。
半ば朽ち果てた階段を使って背後へ回り込みます。
天白城の階段も同じ具合にへたってましたが、ほぼ同じ時期(木製案内板設置時期)に一斉に整備したんでしょうかね。
どの木製階段も同じ程度に痛んでおり踏み抜きに注意が必要。
写真は常に掲載の数倍は撮影しているのですが・・ここの2重堀切だけは駄目写真ばかりでこんなのしかありません。
2重堀切に渡してある木橋の上から主郭方面を見上げて撮影してます。
2重堀切の先は尾根上を均しただけの細長い郭になります。
この辺りの造作も尾引城と同じ。
尾根郭の先端部の堀切の様子。
2m程の軽い堀切で城外との遮断線を形成。
根小屋城背後の防禦も尾引城と同じく主郭直下の2重堀切のラインを重視しているように思えます。
根小屋城の評価は 3 とさせて下さい。
尾引城の次に訪城したせいなのか余計にこの両城がそっくりに思えて仕方がありません。
ただ、根小屋城の方が正面に河川、背後は比較的険しい山容があり防衛に適した立地に築かれている印象があります。 段々郭群もより斜度が厳しいので攻め寄せ難そう。
尾引城と同じコンセプトの城をより攻められ難い地形で作り直した、そんな妄想をしましたが実際はどうなんでしょうかね。