では祢津城の後半と参ります。
今回は、主郭北側の尾根筋に残る遺構の紹介になります。
主郭(I)を後にして北側の尾根を辿り、林道との合流点から林道を下って駐車場に戻ります。
さっそく主郭を後にして、城の北側尾根筋に降りて行きます。
日当たりの良い南側とは風景が一転してこの北側尾根は深い自然林が残ります。
この斜度のキツイ山道は恐らく城の切岸面にそのまま道を通したんでしょうね、ロープが補助として用意されています。
下段の郭は極小の広さに過ぎず、降りるともう次の堀切が控えています。
全般的に、主郭北側尾根部は多数の小郭と堀切で細かく尾根を裁断する構造ですね。
堀切を渡ってから振り返り撮影。 奥に主郭が写っています。
風化が遅いのか、かなりの鋭さを保っている堀切です。
堀切には崩落した石積みが残ります。 かつては堀切全体が石積みで補強されていたのでしょうか。
そしてまたすぐに下に降ります。
ここにもロープの介添えがありますが、また切岸面にそのまま道を通してます。
降りてまた振り返って撮影。
ここは上段よりも横に広く平坦面が確保されています。
同地点より横方向を撮影。
多少斜めながら平坦地が広がります。 尚、藪が酷いので奥までは行きません。
そしてまた降ります。 ここは深く鋭い堀切。
堀切上部に一部残る石積み遺構。 こういうのが大好きなんです・・
石積みの残存具合はこの堀切が最も良好でした。
堀底にある2つの巨石。 小さく写ってますが人の背丈位はあります。
石積みの石はこれを割った物ですかね。
巨石の一つに登って堀切を撮影。
崩落したかつての石積み遺構が良く観察できます。
堀切はそのまま横堀となって上部の郭を取り巻いているようですが、夏場なので深入りせず撮影のみ。
その先の井戸跡?? でしょうか。
訪城時はぬかるんだ湿地で、周囲一帯は藪蚊天国。 早々に離れます。
湿地を抜けると林道に合流します。
林道に沿って謎の石積みがありますが、これは城とは無関係のような気がします。
帰りは林道を辿って駐車場へ戻る事にします。
途中から道が荒れてきました。
もう林道としてもこれはどうですかね、ジムニーか軽トラなら通れるとは思いますが。
無理して林道を踏破した甲斐があって、林道と交差する2重竪堀と遭遇。
この竪堀はもの凄い規模で山肌を掘り込んでまして、祢津城では恐らく一番の土木量を投下しているのでは? と思えるほど。
ただしここも藪が酷く写真写りが非常に悪い遺構。
実際に見てもらわないとここの「凄み」は伝わらないでしょう。
他のアングルでも・・やっぱりただの藪写真になっていますね。
これは林道と竪堀が交差する辺りにある石積み遺構。 屋敷地の跡なのか土地も平坦に均されております。
祢津城との関係は不明です。
祢津城の評価は 4 とさせて下さい。
夏場の藪シーズンに行ったのを少し後悔しました。 冬枯れの時期ならもっとじっくり隅々まで見られますので。それだけ見所が多い城郭遺構と思われます。
特に主郭北側の堀切と小郭の連続部ですね、この辺りの執拗なまでの尾根筋を断ち切る造作には執念を感じます。
記事の最後にちょこっと紹介した城東側を大きく回り込む2重の竪堀も見逃せない遺構の一つでしょうか。
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