ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

小田野城 (東京都 八王子市)

 
 比企の城は一旦終わりで、 今回は八王子市内の城郭 「小田野城」 です。
小田野城は 八王子城から続く尾根筋 先端部にある小丘陵を利用して築かれた、 八王子城の外郭部を守る出城です。
 
イメージ 1
 
小田野城2の廓
 
現地案内板の解説
 
目の前の丘は、 戦国時代に小田野出城があった所です。 小田野出城は、 八王子城城主 「北条氏照
の家臣 「小田野源太左衛門」 屋敷跡の伝承を持つ戦国時代の城郭遺構です。
 案下道を見下ろす防禦拠点に位置しており、 八王子城の出城の一つと考えられます。
 おそらく、 天正18年(1590)八王子城落城と共に荒廃したものでしょう。
 以下略
 
 
 

 
 現地の案内板にも掲載されてますが、小田野城 直下に都道トンネルが通ってます。 
これは史跡保護の為に、 道路建設がトンネル工事に変更された経緯があるそうです。
 行政もいい仕事してますね、 小机城もこんな対応出来なかったのかな?
 
 
イメージ 2
団地内部にある
 観栖寺台公園の向かいに
空堀を挟んで、 小田野城はあります。
 
 車は公園脇に停められました。
 
 公園には、 このように柵が巡らしてありますが、 1箇所だけ城への出入り口があります。 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 公園に設置された縄張り図。  公園は図の真下ハート型の堀の対面辺り。
丘に幾重にも帯廓を廻して、 頂上部に広めの廓を配した単廓式に近い構造のようです。
 
 
 
イメージ 5
 ハート型の堀の裏側が虎口になっており、 ここが登城口だったんでしょうか。
自然地形を活かしたらしい空堀ですが、 実に深くて見ごたえあります。
 
 
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 虎口を振り返って撮影。 あんまりいいアングルではないですね。 
 
 
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 しばらく登ると 本郭? 唯一の広い廓に到着。 
駐屯地としては適当な広さでしょう。 眺望は期待できませんが 芝生広場のようで気持ちいい空間です。
 
 
イメージ 8
 先端部には一部土塁も残ってます。
 
 
イメージ 9
本郭上には小廓が乗ってます。 司令部でもあったのでしょうか。
 
 
イメージ 10
 
内部は藪々です。
 土塁も巡っていたのか怪しい所でした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 11
 北側の帯廓は一部林道化されてました。 それ以外の廓は藪に埋もれており ちょっと中に入れません。
 
 
イメージ 12 
城から見える直下の都道
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 3下から先ほどの地点を撮影
 
 このトンネル建設の英断がなければ
この遺構は 全く消滅して何もなかったのでしょうね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 全体的に遺構は明瞭です、 今回は写真写りの都合で割愛しましたが竪堀も立派なものでした。
 すぐに見て廻れる規模なので、 八王子城のついでに時間があれば立ち寄られるのもいいかも知れません。
 
 
 最後の写真からも解るように 小田野城は勾配も比高もそれ程でもない小丘陵です。 要害堅固ではなさそうですね。 
  小田原征伐の際、 本城に兵力を割かれた八王子城にとって、 外郭ラインに当たる小田野城の扱いは難しかろうと思いました。