ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

檜原城 (東京都 檜原村) 都内に残る境目の城

原城

 

訪問 2022年10月

 

駐車場 有り(麓の吉祥寺)

案内板 有り

 

 

西多摩郡 檜原村

島嶼部を除く都内に残る唯一の「村」である檜原村

山を越えれば山梨県という山間部に位置する山村ですが、ここにもいい山城が残っています。

 観光なら「払沢の滝」、バイク好きには奥多摩周遊道路」などで有名な檜原村ですがお城好きならば山城を目指す訳です。

 

原城主郭背後の切岸と堀切

 

場所はいつものようにグーグル先生にお任せ

 

武蔵五日市駅方面から都道33号を道なりに進み、村役場のある集落まで進むと正面に原城の築かれた険しい山容が見えてきます。

 

目立つので檜原村に行った事がある人ならほぼ必ず見ているであろう山中に原城はあります。

 

 

地形の理解用に国土地理院先生にも登場いただいて

原城は、採石によって削れたら山頂から北東側に伸びる支尾根上に築かれています。

 

 

さて

車をどこに停めましょうと、道路は狭く路駐は無理なので

檜原村観光協会さんのHPによると原城の駐車場は麓の「吉祥寺」さんの参拝者用駐車場と書かれていたのでそちらを利用させてもらいました。

 

hinohara-kankou.jp

 

一応お断りをと思いましたが、誰もいらっしゃらなかったのでそのまま停める形になりましたが・・・問題ないかと思います。

さて

原城への登山道は吉祥寺さんの裏手にあります。

墓地のこのルートを抜けて

 

 

十三仏巡拝入口」のゲートをくぐります。

十三仏巡拝は、山道沿いに13体の仏像が祭られており、登りながらお参りする参詣路です。

巡拝路の終点が山頂の原城なので、お城訪問しながら巡拝もできてしまう、大変お得なルートですね。

 

ゲートを過ぎると

斜面に原城の案内がひっそりと

 

説明は大変ざっくり。 色々伝承はあるようですが

甲武国境に置かれた「境目の城」として後北条氏によって使われた事は事実でしょう。

 

縄張り図部分を拡大。

麓の吉祥寺方向に降りる1本の長大な竪堀が目につきます。

縄張りとしては稜線上に郭を重ねるオーソドックスな山城の普請に見えますね。

実際の縄張りはもうちょっとだけ複雑です。

 

 

では原城に向かいましょう。

案内板を過ぎると

十三仏巡拝」ルート上を辿ります。

 

 

既に13体以上あるような気がします・・

暗くて少し不気味・・失礼しました。

 

 

巡拝ルートは整備されており、「山城あるある」の踏み跡の薄い作業道を辿る苦労はありません。 

これはありがたい。

 

巡拝ルートは長大竪堀と直交します。

 

加筆するとこんな感じですが・・

これ 材木の搬出路にも見えますが、現役の頃からの竪堀なんですかね?

 

 

更に登ると

 

日の光も射さない大木の元に観音様が・・

 

 

この観音様の立ち位置

 

何かに そっくりと思えませんか?

 

 

 

おじさん世代なら幼い日にトラウマになった人もいるのでは?

 

 

これ これ

 

宇宙人  似てませんか?

 

狙って設置してません?

 

 

と 言ったオカルト話も好物ですが別の機会にして

実は観音様の背後は東の山肌を下りる支尾根で

支尾根には段郭が普請されてます。縄張り図には記載漏れているので

ここも見学ポイントですね。

 

結構しっかり普請してます。

 

ざっくりですがこの辺りが段郭のある支尾根です。

原城東側の登城ルートは本来こっちかも。

 

 

さて正規のルートに戻ります。

十三仏巡拝を順調にこなしつつ

 

稜線に乗ったところで竪堀を見下ろして撮影。

半ば埋もれてますね

 

切岸面には大日様が

 

大日様と切岸を段郭から撮影。

 

稜線上の郭に到着。 険しい山容ながら平坦に均されてます。

3廓と呼んでいいのかな? ここから南側稜線上に2・1郭と続きます。

 

麓の集落を撮影。山間の小盆地と言った趣き。

ここも都内なんですよね、普通に熊が出る地域があるのが東京の不思議な所。

 

 

3廓から南側の2廓を撮影。

正面の堀切は斜面の竪堀に繋がります。

 

2郭への導入は凝ってますね。

境目の簡単な城と思えば案外そうでもない。

 

2廓側から3廓を撮影。

周囲に土塁は伴ってないようですが、かなり丁寧に仕上げてあります。

 

2廓の奥には一段高い小郭があり1廓(主郭)と推定。

 

登ると

あ まだ続きがありました。

 

ここが原城最高所で恐らくは主郭部。

小ピークを加工して普請された郭内部は平坦であるものの狭い。

 

主郭背後は・・

目の覚めるような鋭い堀切が。

ここは必見。

 

痩せ尾根上は連続して小堀切を設けてあります。

この先はより標高の高いピークへ続く尾根なので厳重に断ち切ってます。

 

振り返って主郭部を撮影。

 

 

 

所要時間 1時間

 

原城の評価は 4 とさせて下さい

 甲武国境警備用、または村の城のような砦程度の普請であろうと訪問しましたが、意外にしっかりした普請が印象的でした。

 丁寧に成形された郭・支尾根沿いの段郭群・主郭背後の鋭い堀切など見どころが多く、規模こそコンパクトにまとめられてますがかなりの土木量が投下された事が窺えます。

 周辺の似た規模の山城より遺構が明瞭で分かり易く、短時間で城域を堪能でき、更にアクセス登山道の整備状態も良好となれば

「中世城郭に興味を持った人にはまずはお勧めできる山城」

その一つと数えていいでしょう、都心からも近いので。

 

 

 

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