尾引城
訪問 2017年 11月
駐車場 無し(路上駐車余地有)
案内板 有り
上田市、真田の里の城巡りの3城目はこちら尾引城2になります。
タイトルに2が付くのは「尾引城1」という藪に阻まれて入口で撤退しました、という過去の記事が存在する為ですね。
今回は、夏が駄目なら秋に行こう、というリベンジ目的の訪問になります。 我ながら執念深い行動です。
尾引城 主郭下の小郭から戸石城方面を撮影。
場所は以下のURLを参照して下さい。
そしていつもの周辺城郭の配置図。
所で、この尾引城とその西側に展開する根小屋城・洗馬城(後日紹介予定)の縄張りには共通性を感じました。
麓から尾引城主郭部を撮影。
山に築かれる城は山城と呼ばれますが、ここは比高で言うなら丘城と言うべきですかね。
緩い勾配の山容で城らしい険しさは感じません。
尾引城の入り口。
めいっぱい路肩に車を寄せれば1~2台は路駐できる余地はあります。 でも路駐をお勧めしている訳じゃないですので。
場所は前回の記事を参照して下さい。
再度掲載の現地の案内板。
同じく現地縄張り図。
図の下側(南)から主郭を目指します。
人の指の様な形をした尾根を利用して尾引城は築かれています。
南側の斜面には等高線に沿ったように小郭をひな壇状に配置し、ピーク部に主郭。
その背後を大堀切で遮断して後方の安全を確保しています。
大堀切の背後は尾根上を削平化していますが防禦は薄い印象。予備兵力の駐屯地か戦闘時は放棄を前提で造られていると思われます。
では早速、虎口っぽい所からお邪魔します。
いや、多分当時の虎口だと思います。
綺麗に草が刈り取られます、再訪した甲斐があったというもの。
こちらは同じ場所の夏の惨状。
無理をしないで時期を選べば最初から問題などなかった訳ですねぇ。
ひな壇状の郭までは整備が行き届かず、この辺りの造りは良くわからない としか言いようがないですね。
途中ある石積み遺構。
葉っぱの下に数個の石は確認できましたが・・・
主郭手前で鳥居が見えてきました。
登り切って主郭の全景を撮影。
狭い天白城主郭とは比較にならない程の広い空間が確保されています。
主郭に設置されている「いつもの看板」
お城の歴史についてはこの看板画像を拡大してご覧ください。
主郭にある秋葉神社。
信州のお城では主郭に秋葉神社のパターンが多いですね。
そんなわけでお城巡りは自然と神社巡りにもなっていたりします。
ちなみにこの石積み付きの土塁は城郭遺構とは関係なさそう。
そしてこちらが主郭背後を守る2重堀切。
尾引城防衛の要であり最大の見所ポイントでもあります。
何が見所かと言いますと、この圧倒的な土木量を投下して築かれたであろう堀切の規模ですね、先ほどの秋葉神社が遥か頭上に見えます。
所で主郭南側(盆地側)には堀切は設けられておらず、主郭の北と南では明確に造りが違いますね。
2重堀切を過ぎると、尾根上を平坦にならしただけの郭が続きます。
途中にある堀切。
さっきの2重堀切とは比較にならない程の小さいなもの。
カエル君がいたので気まぐれに撮影。
縄張り図で北端に掛かれている堀切。
高さは2m程度、 警戒線程度と言った所でしょうか。
やはり北側の守りは2重堀切の線が厳重、それ以北はそれなり。
堀切を過ぎてからも更に尾根道を北に進みます。
尾根道の終点に到達。
ここで尾根は右(東)側の横尾区方面に折れます。 西(左)方面は麓に戻ります。
つまりは尾引城の背後は、天白城や松尾古城の様に峻嶮な山並みという訳ではなく背後からの脅威も考慮しなければならない立地に思えます。
所で、看板背後(北側)には道こそないのですが地形を均した跡と思える段差が存在します。
ひな壇状の郭にも見えますがこれも尾引城の遺構なんでしょうかね?
東に折れた尾根道を進みますと間もなく分岐点が現れます。
横尾方面は尾引城の東隣にある谷地を下り元の麓に戻る道。 ここで戻るつもりでしたが・・更に尾根道を直進すると「長尾城」があるようです。
不覚にもこの時、長尾城の存在を知らずに訪れておりません。
ここからかなり登った所にあるようですね。
横尾地区に戻る道を暫く進み振り返って撮影。
この南麓面にも地形を段々に均した跡があります。
畑の跡とも思えますが・・
尾引城の評価は 3 とさせて下さい。
結局2度目でやっと尾引城を訪問できました。 そこまでして行く価値があるかと言えばそれは・・もう一般の方にはお勧めするほどではありません。
主な郭は山頂部の主郭とその背後の尾根道の細郭のみ。非常にコンパクトな城域の山城ですが、これはこれで興味が尽きません。
壮大な規模で築かれた大大名の拠点級城郭よりも、在地の小勢力が乏しい戦力を想定して築かれた城跡の方が妄想力を掻き立てます。
具体的にこの辺りに何人位配置していたのか、北の郭にはどの位の兵力の駐屯を想定していたのか・・ ちょっとマニアックですが。