ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

霧降城 (長野県 松本市)

霧降城

 
訪問 2017年 5月
 
駐車場 無(麓に路駐可)
案内板 無
 
 原城の現地パンフレットの隅に申し訳の様に書いてある霧降城の名前。
原城の隣にあるらしい事は判るもののそれ以上の説明がなく「判らないのなら行ってみよう」という軽い気持ちで訪城したのが今回の霧降城の紹介の内容になります。
 
 訪問した感想では桐原城の支城という立ち位置でしょうか。要害山城に対する熊城のような沢を挟んだ峰を占地していますが、本家桐原城と比べるとかなり小規模な造りと城までの山登りが長い点を踏まえるとお勧めはできません。
 
 本当に物好き??な人向けの城郭遺構でしょうか、私は結構好みなので今回の記事は無駄に長くなります。
 
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  霧降城を取り巻く古道跡?
 
 
場所は以下のURLを参照して下さい。
 
 

 
これだけでは判り難いので行き方の解説を詳しめに載せます・・・でもこの城に出掛ける人はどれだけいるんでしょうか?
 
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原城の紹介の折にも載せた現地のパンフレットです。 橙色下線部に霧降城のざっくりした紹介が載せられています。また右側写真には見事な竪堀が載せてありますね。
 所で同じキリにも関わらず「霧」と「桐」に書き分けられている為、変換が頗る面倒。 霧の字を使うと霧が良く出る地域だと露見するから桐にしたんですかね?
 
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裏面の縄張り図にも霧降城と海岸寺が記載されています。
 
 
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 周囲の城郭との位置関係です。 霧降城を桐原城の脇に加筆しました。
 
 
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登り口までの車でのルートは途中まで桐原城と同じです。
「赤1」が前回桐原城への訪城したゲート。 「赤2」が桐原城搦め手側の訪城ゲート。
 橙色の矢印が霧降城へのルートです。
 車はパンフの指示に従い海岸寺の脇に停めます(Pの位置)
 
 
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海岸寺脇の路肩駐車スペースから入口を撮影。
 橋と桐原城の案内板が目印。
 
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数台は問題なく停められます。
 
 
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登り口が判らない為、適当に桐原城側のゲートから登っている様子。
 いつまで登っても沢を渡れないのでこちらは間違いと気づき逆戻り。
 
 
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霧降城へはこちらの道を辿ります。ただこの時は全然判ってません。
 
 
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獣除けのフェンスを抜けて更に奥に向かいます。
 
 
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フェンスの先は耕作放棄地を進みます。
 棚田の跡ですかね、ここの石積みのいい味出しているのですが勿体ない。
 
 
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振り返れば林大城。
 
 
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耕作地を抜けると沢沿いの山道になります。
 
 
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 分岐にあった霧降城の標識。
道は正解だったらしいので一安心。 出来ればもうちょっと手前にあると安心なんですが・・・
 
 
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沢沿いの道と分かれ山道を登ります。
 大変立派な石積みで補強されていますが実は今回は城よりもこの不自然に整備された山道の方に関心を魅かれておりました。
 
 
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この様に溝状に掘られた道が山肌を登っていくんですね。 
 碓氷城で見た旧中山道埴原城の背後に続く古道ととそっくりなので、これも車社会以前に使われていた道の名残じゃないですかね?
 
 
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場所によっては膝の高さまで落ち葉が堆積しており、道を外れて歩く必要があります。 今はほぼ使われていないのでしょうね。
 
 
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 人の背丈を越えるほどの深さがあります。このような古道を30分程登ると次の分岐が現れます。
 
 
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分岐点です。
 赤線は竪堀で尾根を一直線に登っています。
橙線は古道で稜線を迂回しています。 両方とも木の幹に赤リボンが結わえてあるので迷います。
 結論から言えばどちらも霧降城まで続いているのですが古道の方は途中1か所分岐があるので竪堀を直登した方が迷わないかも知れないです。
 
 
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城に向かうので竪堀を辿ります。
 この竪堀の根本が恐らく霧降城だと予測。
 
 
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竪堀の長さも驚きですが、法面に石積みを施し補強をするという丁寧な仕上げ。
 
 
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郭の切岸面らしき物が見えてきました。 
 
 
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郭内部にお邪魔します。
 内部は綺麗に平坦化されてますが狭いです。土塁はあったのかな? ちょっと微妙な痕跡。
 
 
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背後にもう一段郭がある模様。
 
 
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古道にあったのと同じ色のリボンがここまであります。
まぁこれもあまり過信しちゃ駄目と聞きますね。
 
 
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次の郭によじ登ります。
 
 
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こちらの郭の方がやや広く、それでも30メートル四方弱と言った所。
恐らくここが主郭になります。
 
 
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主郭の裏側にある「霧降城へ」の標識。 へ、と言いますかもう隣にあるんですが。 
 この先は城外と考えるならば霧降城は主郭と下段副郭の大変シンプルな造りという事になります。
 
 
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標識を主郭とセットで撮影。 標識は土塁上端部にあるんですね、そして尾根側と城を隔てる空堀のように古道が城の背後を抜けています。
 
 
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古道は城背後から尾根を直線的に登っていますがこちらは調査してません。
 相変わらず溝底には落ち葉が堆積し歩くには不適当。
 
 
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少し古道を登り霧降城主郭部の全景を撮影。
 尾根挟んだ桐原城とは規模・造りとも簡素で恐らくは街道監視か物見台の役割を担っていたんでしょう。
 
 
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主郭背後の古道は、主郭東側に迂回しつつ麓に向かっているようなので試しに降りてみます。
 主郭東側の横堀の様な位置関係になっています。 法面には石積みの名残と思しき石が散在しています。
 
 
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堀底道のようです。 この辺りは副郭の東側付近。
 霧降城本体には石積み遺構らしきものは確認できませんでしたが、古道にはおびただしいほどの石積みが残されております。
 
 
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かなり崩落してますが古い石積みが素晴らしい。
 
 
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竪堀と交差している箇所もあります。
 
 
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古道内から副郭南東側を見上げて撮影。
 切岸の半ばに数名程度籠れるような小郭らしき地形がありました。
 
このまま古道を降りますと、竪堀と古道の分岐点に戻れました。
 
所要時間 2時間(入口探しの30分を含めて)

霧降城の評価は 3 とさせて下さい。
ただ、往復2時間かけても2つの郭しかない小さな城、城単体なら評価2。山登りの労力にはちょっと合わないですかね。
 もっとも、石積みの古道と霧降城の関連性に興味があるなら行く価値はあるかも知れません、但し私が勝手に古道ではないかと推測しダラダラ書いているだけであって裏付けは全くありません・・・