ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

小倉城 再訪(比企郡 ときがわ町)1

 
訪問 2016年 7月
 
駐車場 有
案内板 有
 
 杉山城に続いて今回も古い記事の焼き直し物件です。
 杉山城と同じく比企郡の城郭群の一つに数えられる小倉城、コクラじゃなくて、おぐらと読むそうですが今回はこの大規模な山城の紹介です。
 
 ここの特筆すべき点は関東の中世城郭としては比較的珍しく石積みを多用した石造りのお城という事ですかね。
 ただし近世の城郭のような巨石を用いずに板状の石を山肌へ積み上げるという地道な手法が採られています。
 
 この板状の石積み群が小倉城紹介には必須とも言える特徴ですが、他にも山城としての城域広さ、造作の土木投入量や複雑な縄張り等々・・本来の城としての見どころも満載なのがこの小倉城です。
 
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     小倉城 腰郭より2郭
 
個人的には精密機械のような繊細な縄張りを持つ杉山城よりも小倉城のお気に入り度は高いですかね、より実戦的という印象を受けます。 
 因みに、築城の年代や経緯に関してはこの小倉城もはっきりとは分かっていないようですので割愛します。 
 
場所は以下のURLを参照して下さい。
 
 

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 現地の周辺案内図を掲載します。
 
槻川が大きく蛇行する辺りの尾根先端部に小倉城は築かれています。
 さて 城への登城口は4か所あるようですが、私が確認したのは2か所。
 1か所は城の東側麓にある大福寺さん脇から登るルートと、南側の林道を辿り郭4からスタートするルート。
 
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 先ほどの周辺案内板は大福寺さん側に掲示されています。 
 お寺の脇に訪城者用の臨時駐車場が設けられたようでして便利になりました
 ちなみに画像奥の山が小倉城
 
 
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 便利になった大福寺さん側を尻目に、いつもの林道を登り小倉城に行く事にします。
 
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何故ならば林道を車で登って来られるので楽なんですね。
 城入口には2台ほどの駐車スペースとトイレが設置されています。
 
 
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 では 詳細な現地縄張り図を掲載します。
 
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 これに今回の訪城ルートを加筆。
下から歩道を辿って、100メートル程で同じ尾根沿いにある青山城との分岐点である尾根鞍部に到達します。
 
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 分岐点の様子 画像奥の尾根道を辿ると青山城にたどり着けるようですが、地図で見ても結構距離がありますので、ちょっと足を延ばそうというのはお勧め致しかねます・・
 
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そして反対側が小倉城への入り口。 
 この幅の広い緩斜面を登ると郭4手前 切岸と土塁を掻き揚げて構築された遮断線の前にたどり着きます。
 
 
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 このような壁が立ち塞がっております。
 
 
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振り返るとこのように緩く幅の広い斜面が遊歩道のあった尾根筋鞍部まで続いています。 僅かに車から歩いてきた遊歩道が見えるのですが判りますか?
 
 
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 続きましては 小倉城最大と謳われる大堀切にたどり着きます。
尾根続き側になるので防禦も大変厳重にして備えていたようですね。
 
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 大堀切の様子。
現地案内板の2郭推定櫓台方面を撮影、画像右手2郭側は一部岩盤を削って堀を構築している念の入れよう。
 
 
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 暗がりの為か腕が悪いのか・・ピンボケしてますが、大堀切はそのまま巨大竪堀になって麓まで延びています。 ここも見所ですかね。
 
 
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 2郭南側の腰郭より大堀切側を振り返って撮影。 この辺の造りが個人的には小倉城最大のお気に入りポイントです。
当時は土塁にある切れ込み部に板を渡して、通路としていたのでしょうかね。
 
 
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 同腰郭より2郭を見上げて撮影。
写真では判りにくいですが、2郭の切岸ラインにも幾つかの折れを設けて造作されています。
例の横矢かかりを意識した造り。
 
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 同腰郭より東側に伸びる支尾根方面にも腰郭が見えましたので降りてみる事にします。
 
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 麓方面から先の下段腰郭への虎口の様子を虎口外側に降りて撮影。
現地縄張り図にも「虎口」と書かれている所になります。
 画像正面の太陽の辺りが2郭。
 
 
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 虎口の造作を判り易く加筆修正。
竪堀と土橋を上手く組み合わせて折れの伴った虎口を構成しております。
 
 
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 同じ虎口に僅かに残る石積み。 特徴的な板状の石を積み上げています。
近世城郭の綺麗に整った石垣よりも、何故かこういった素朴な石積の魅力に惹かれてしまいます。
 
 
小倉城2に続きます。