ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

足柄城 (静岡県 小山町)

足柄城
 
訪問 2013年 7月
 
 足柄城は、箱根山中にある足柄峠に築かれた山城です。
 詳しい歴史は不明らしいのですが、小田原北条氏の箱根防衛線の一翼を担っていた城郭で、1590年の秀吉による小田原攻めの前哨戦に当たる山中城落城の時に、同じく落城し廃城となったようです
 
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足柄峠 足柄城 堀切跡を抜ける県道より撮影
 
 標高がある峠城なので真夏でもそれなりに涼しいと予想していたのですが・・
とにかく蒸し暑かった記憶があり・・とにかく真夏は余りお勧めはできません(他の理由もありますが後述します) 
 
 

 

 

 足柄峠の峠道を城域に取り込む様に築かれています。
 基本的なコンセプトは同じ箱根に築かれた山中城と同じですね。
 
 
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城のある足柄峠までは県道1本道なので迷う事なく辿り着けます。
 堀切跡のたもとにある城址の石碑。 この右手に駐車場があります。
堀切両側が城郭遺構になり、左手は本廓にあたります。
 
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城址巡りの前に、県道沿いにある足柄関の跡を見てみましょう。
 観光地らしく、顔の覗かせる(名称不明・・)看板があったり関所の門扉がとれてたり、どことなくチープな印象を受けますが気にせず散策。
 
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関所脇にひっそりたたずむ 首供養塔
 関所破りや凶悪な盗賊を処刑した場所だそうです・・・こんなのを撮るなと怒られそうですが・・
 
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 まさかりかついだ金太郎
を拝んでテンションを回復
します。
 
元祖?ご当地キャラは少々顔がリアルです・・
 
 
 
 
 
 
 
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関所そばにあった足柄城の縄張り模型看板
模型上が南になります。 模型中央の縦の赤線が県道の通る堀切跡
 
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看板脇から
 城址へ突入します
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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内部は酷い藪々で散策路以外は踏み込めず、周囲の様子も窺えませんでしたが
 そんな藪の中に 山の神社という小さな祠が祭られていました。
 
 
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暫く道なりにすすむと、堀切を渡る歩道に辿り着きましたが、生憎橋の欄干が劣化して通行禁止との事。
 
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・・・どうにか橋の対岸にある本廓に到着
 ここはしっかり整備されて散策も楽々ですが、遺構らしき地形があまり感じられませんでした。
 
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こちらは奥の茂みにある 玉手ヶ池
 名前の由来は、 足柄峠の守護神足柄明神姫玉手姫からつけられたそうです。
 単なる水たまりではなく湧水がありそうでした。
 
 
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本廓奥にある石碑・・残念ながら曇天であまり眺望が良くありませんでした。
 快晴ならさぞかし雄大な景色が眺められたでしょう。
 
 
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ちなみに石碑の裏側はこんな状態です。
 空堀を控えた土塁上に石碑は築かれていました。
 
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裏手の廓群の様子。 廓平たん部は整備されていますが周辺が草木が茂るままで
土塁や堀の様子は解りません。
 
 
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尾根沿いに平坦地(廓)が堀切を幾つか挟んで連続します。
 この廓間の堀切は比較的明瞭に遺構が確認出来ます。
 
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そして道は藪の中に突入
 この下り斜面は堀切と推測
 
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途中にあった井戸跡
 井桁に組んだ内側は特になにもありませんでした。
 
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その後もこの様な 藪巡り状態でして・・・遊歩道こそ散策できますが、遺構は全く見られません。 夏場の訪城はちょっと厳しいかと。
 
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遊歩道は5廓外側に続きます。
 この部分は堀底道になっており、左手が5廓土塁面 右手が堀に沿って伸びる土塁面になります。
 かなりの大規模土木工事が施されていた様子の巨大空堀で、尾根筋を徹底的に断ち切っています。
 西から侵攻する豊臣軍が足柄城に真っ先に取り付く城西端だけに、この堀底は極めて厳重な構えを見せており、個人的には足柄城のお勧めポイントです。
 
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堀底を進む内に
 県道に出てしまいました。
 県道と交差する堀切は破壊されたと思われます。
 
冒頭の堀切部の県道からは
 かなり西に寄った地点になるので、 ここからとぼとぼと駐車場まで戻りました。
 
 

足柄城の評価は 3,5 とさせて下さい。
 
どうもしっかり整備復元されている山中城と比較してしまうと、藪に埋もれた印象がぬぐい切れません。
 藪が取り払われると現れる?だろう見事な遺構を期待して3,5としました。