ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

韮山城 江川砦・和田島砦(静岡県 伊豆の国市)

韮山城    江川砦・和田島砦

 

2021年 5月

 

駐車場 あり

案内板 あり

 

 

 単発で静岡県のお城韮山城の紹介です。

 

久しぶりにメジャーなお城ですが、実は5年前に一度紹介済み。

 

 韮山城は、主廓のある丘陵部(主要部)の他に、主要部背後の天ヶ岳山頂から各支尾根上に展開する廓群を併せた広大な城域を誇る城郭遺構です。

 

 一般的に韮山城といえば主要部のみを指す事が多いでしょう。

 観光地として整備され訪問も容易。

 

 一方の天ヶ岳地区の遺構については全く整備がなされず難易度の高い山城遺構となっています。

 

 ここまで足を延ばす人ははっきり言って稀ですが、拙ブログでは当然天ヶ岳地区を重点的に紹介するわけです。

 

 

 さて5年前は

韮山城の遺構は全て見てやろう  

 無謀な計画を元に天ヶ岳を探索したものの、途中プチ遭難などのアクシデントにも見舞われ時間切れに終わっています。

 

 

 そこで、今回は天ヶ岳遺構群の見落としを重点的に攻めたので

 韮山城 の 江川砦・和田島砦 

と 変則的なタイトルにしています。

 

 

韮山城 天ヶ岳砦 

 尾根を断ち切る堀切と土橋

 

 

場所はいつものようにグーグル先生にお任せです。

 

 

 韮山城のピンの下(南側)に何とか砦や何とか付城のピンが幾つかありますが、

 

何とか砦は韮山城の一部です。

 

 天ヶ岳全山に渡って大土木工事を施した結果、韮山城は複数の砦と主要部を併せた複合的な城塞群に成長しています。

 

 周囲の付城跡は、豊臣軍によって行われた韮山城包囲戦時に築かれた臨時の陣地(陣城)の遺構群です。

 

 

 現地案内板から今回のルートを紹介します。

 

 本丸のある主要部はざっくり見学で済ませて、

 さっさと天ヶ岳砦(山頂)に登り、そこから支尾根を下り尾根先端に築かれた「江川砦」に進みます。

 

そのあと、一旦山を下り「和田島砦」を見学します。

 

 

 天ヶ岳城塞群の特徴は、各支尾根先端部に砦と呼称される強力な火点を設けている点でしょう。

 

 韮山城の全体的な情報に興味がある方は過去の記事を参照してください。

 

kurokuwa.hatenablog.com

kurokuwa.hatenablog.com

kurokuwa.hatenablog.com

 

では 参りましょう。

 

 

その前に 韮山城警備隊を確認します。

 

 

主要部はざっと見る程度に留めます。

 幟旗が新しく地元の力の入れ具合を感じます。

 

お日柄も良く富士山がくっきり。

 

 

主要部本丸から撮影した天ヶ岳方面。

 正面の尾根は天ヶ岳山頂から江川砦方向へ下る支尾根。

 

 

さてさて

 

では、天ヶ岳へ登りましょう。

 登り口などのルートは5年前の記事を参照してください。

 

山頂(天ヶ岳砦)からの眺め、見張り台として最適か。

今回は空気が澄んでいて遠くまでよく見えます。

 

箱根方面を撮影。 

中腹に山中城が見えますね。

 山中城陥落の様子をこの位置から見ていたでしょう。

 

 

山頂(天ヶ岳砦)から支尾根を下り江川砦に向かいます。

 こちらは、天ヶ岳砦直下の大堀切。

 

 5年前にも紹介済ですが、崩落した石積みと思しき石が並びます。

 

先に進むと次第に踏み跡が薄くなります。

 

 いつ整備したか分からない古い虎ロープを辿ります。

結構ダルダルであまり信用したら駄目ですね。

 

 

その先は 崖? 

 

 

実は

 大堀切  なんです、ここ。

 

 向かいまでの距離感が伝われば幸いですが、堀切面の斜度・距離共に尋常の規模ではなく、予備知識がなければ天然の渓谷と思うでしょう。

 

 

 線を引いて補足します。 

相変わらずセンスを感じません。

 

 

 では 堀底へ降下します。

が、虎ロープは例によって全く信用できず。

 

 

 適当な枝やら根っこやらに掴まりながら途中まで降りてきました。

 

 堀底には人一人幅の岩盤土橋があるんですが・・樹木で全然わかりませんね。

 

 堀底の様子。 

正直言って木が邪魔でよくわかりませんが、韮山城でも随一の規模を誇るであろう大堀切である事は間違いありません。

 

 写真映りには最悪の条件なので、天ヶ岳に登った折りにはこの大堀切は必見です。

 

岩盤土橋はこうなってます の図。

 

堀切の対岸に渡って撮影。

 サイズ感が伝わり難いかと思われますが

画像正面の倒木は電柱より一回り太いサイズ感です。

 

実は大堀切の先では道が消滅しています。

 

 江川砦へはあと一歩ですがここで断念して引き返します。

 前回は強行して大変な目に遭ったので、一応学習してます。

 

位置は、城池公園のトイレが見えるあたりの直上です。

 

 

 

 

ここから一旦天ヶ岳を下山して

和田島砦に向かいます。

 

和田島砦には、若宮八幡神社があるので神社を目指せばokです。

 下の集落から参道を辿ります。

 

 

参道が尾根道に乗る所で振り返って撮影。

 

 推測ですが天ヶ岳砦から支尾根沿いを下るとの所から参道に合流するように思えました。

ただ、道はほぼ藪で覆われ隠滅状態。

 

 

 尾根道になると参道両脇に段廓の痕跡と思しき高低差が

現れます。

 

段廓と奥に社殿が見えてきました。

 和田島砦は支尾根先端部の小ピークを利用して築かれていたようで緩い登り坂が続きます。

 

和田島砦の推定主廓に到着。

 広い削平地と一段高い廓跡? に社殿が建てられています。

 

明確に城郭遺構の雰囲気を残すのはこの辺りですかね。

土手和田砦より遺構はシンプル。

 

もっと先がありそうですが道が消滅しています。

 この先に空堀でもあったら・・ と思いつつ今回はこれでおしまいです。

 

 

 

韮山城の評価は 今回は省略です。

 

今回の韮山城続編でも、全ての遺構は見切れませんでしたが相変わらず素晴らしい遺構です。

 

 天ヶ岳の遺構群については、道は消滅していても虎ロープの介添えは残っているのである時期に一斉整備がなされたのかもしれません。

 そのあとは整備が追い付かずに再び自然に戻っているのでしょう。

 

 

 それが幸いしたのか遺構の状態は非常に良好です。

 

 

 天ヶ岳、この山は砂地の所が多いので結構崩れやすい山だと思うんですね。

 あんまり観光客に歩かれると遺構が磨滅しそうで心配になります。

 今のまま一部のマニアが訪れる程度でいて欲しい・・・と勝手な思いですが。

 

 

 さて、周辺に残る付城群まで訪れるにはあと何回訪問するのが必要になるのか?

 城単体でも素晴らしいのに戦国時代の包囲戦の遺構までセットで見られる韮山城、貴重な城郭遺構と言えるでしょう。