ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

下小池城 (茨城県 阿見町)

下小池城
 
訪城 2013年1月
 
 正月休みを利用して茨城の城郭を訪れた帰りに立ち寄った城郭を紹介します。
常磐線のひたち野牛久駅辺りで、パラパラと地図をめくり、偶然目に付いたのが今回の下小池城。
 時間は午後3時過ぎと、まだ日没まで間がある・・で、ちょっと寄ってみようと事前調査もなく立ち寄った次第です。
 
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下小池城2郭土塁と空堀
 
 

 
立地的には、台地が低湿地に突き出した地形 いわゆる舌状台地を 利用して先端の方から 本郭・2郭・3?廓とあったようです。
 城跡南側(低地側)は現在水田に、台地側は工場や牧場として利用され景観が全く異なります。
 ちなみに 城への目印は道路挟んで隣にある理想科学さんの工場。
 
 
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 正月休みで無人の工業団地内を進むと、やがて見えて来た公園が下小池城です。
 
 
 
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ほぼ同じ地点から左側(南)に向いて撮影。
 谷を挟んで右側が城跡、 谷底は休耕田の様でした。
3方を湿地に囲まれ、工業団地側が台地続きになります。
 
 
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 城址公園の看板もあります。
 この辺りに車が停められます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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振り返るとこうなってます。
 
 公園があって、工場もある
のに誰一人いない・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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公園内はこのように
 東屋があったり・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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ウッドチップの小道が整備されていたりしますが・・肝心の城の痕跡が殆どありません。
 城としての整備は一切なされていないようでした。
 
 
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僅かに 堀の痕跡らしきものが続いています。 深さ1メートルもありませんでした。
 
 
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 空堀のようですが・・城跡と知らずに歩いてら堀とは気付かなかったかも・・
 
 城についての解説板は掲示されていたので 内容を抜粋します
 
№21 阿見町名所百選
   下小池城跡

本城跡は乙戸川を南に見下ろす台地の縁に構築された、総面積15ha程の広大なものである。
 主廓部の位置は舌状台地に築かれており、堀や土塁・折れ虎口・隅櫓跡・横矢・邪・畝堀などが見られ、低地に馬洗池跡が確認される。
 城の歴史につていは不明である。
 しかし、周辺の関連や遺構の状態からみると、後北条氏の傘下以後の土岐氏構築と考えられ、西方の佐竹・多賀谷勢力に対する境目の城であろう。
 

 

 とにかく 詳しい事は不明のようです。 
 
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これで、遺構は終わりなのか・・・と思ったのですが念の為スマホで色々検索すると この公園奥にある炭焼き小屋の先にまだ遺構があるとの事。
 全く世の中 便利になったもので・・・
 
 
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炭焼き小屋の先にある 土塁と空堀。 舌状台地を一直線遮断しているようでした。
 土塁の高さは2メートル弱 堀の深さで1メートル弱でしょうか、規模はそれ程でもないのですが 唯一の虎口は枡型を形成していました。
 
 
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虎口から内部は この様な一面笹藪で覆われています。 完全に放置されています。
 恐らくここが2郭内部と思われますが、真冬でこの有様ですので訪城の時期はかなり限定されると思います。
 
 
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笹を掻き分けて(冬場だから強行しましたが)進むとフェンスで仕切られています。
 この奥に土塁らしきものが更に続いているようでしたので、ちょっと失礼させて頂きました。
 
 
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かなり明瞭に残された遺構が現れました。 本郭周辺の土塁と空堀と思われます。
 
 
 
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堀のラインには折れを用いたりかなり技巧的な造りでして、幅も深さも先ほどの炭焼き小屋前の土塁より明らかに大きく、手間をかけて構築された様子が窺えました。
 
 
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同じようなアングルで恐縮です。
 画像でも解るかと思いますが、 この辺りから本郭にかけては凄まじい藪でして、結果的にこれ以上の訪城を断念しました。
 

 
下小池城の評価は 2 とさせて下さい
 
 本郭は藪が凄まじく入っていけません、評価を低めに出したのはこれに尽きます。
 出来ることなら、本・2郭も整備して歴史公園でもして貰えればいいのですが・・・
 
2郭の低い土塁と浅い空堀、 それとは明らかに異なる本郭のしっかりした造作との違いが大変印象的ではありました。
 本来の下小池城は本郭の範囲で留まっていたのを 何らかの理由により2郭以降を急造したのか、または築年代が全く異なるのか・・・詳細不明だけに想像力を掻きたているものがあります。