ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

山中城 ② (静岡県 三島市)

 前回の山中城①の続きです。
 
豊臣方との決戦に備えて増設された岱崎出丸部分を後にして、 ②では大手から西の丸方面あたりの写真を載せたいと思います。
 
 
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前回の最後の画像です。
 
 ここは、 現地縄張り図で広場と書かれた所にあたります。
 国道1号箱根旧街道が交差します。
 
 岱崎出丸を背中にして撮影。
 
 画像左手奥、 旧街道脇の森が一段高くなっており、 そこに 
 「芝切地蔵尊」 があります。
 
 
 
 
 
 
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 芝切り地蔵尊へは、 旧街道から3メートル程の比高があります。 
急勾配の石段からして、 山中城の遺構と思われます。
 
 
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 石段を登って境内を撮影。
右奥が岱崎出丸方面になります。  3方に土塁の名残があるのが解るかと思います。 
 左手の小山は 芝の供養塚だったと記憶してます。  芝の供養そのものが初耳でしたが、 珍しいですよね。
 
 
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  一転して 「3の丸」堀を 田尻池方面より撮影。 綺麗に整備されてますが、  堀底に畝がないのは元々なのか・・整備の際に省かれたのか・・・
 画像の奥が岱崎出丸、 左手森の奥が 「芝切地蔵」 の位置です。 
 
 
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 先ほどの 左手の森の奥はこのような感じです。 崖の上は芝切地蔵辺りになります。 
ここから奥の集落にかけて、 切岸加工された地形が続きます。  
 旧3の丸の遺構と思われます。
 岱崎出丸の土塁と比較して、 比高は同等、 ただし勾配角度が厳しくとても登れそうもありませんでした。
 
 
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 先ほどの 3の丸空堀を奥へと進むと池が2つあります。
 
地形的には谷筋の旧堀跡になります。 
 
 城址から先、 箱根の峠までは樹木が少なく笹ばかりの山並みなのですが、
 この豊かな水はどこから湧いてきたのかが不思議に感じました。
 
 
 
 
 
 
 
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 2の丸の脇から西の丸方面へ進みます。 
縄張り図には記載ありませんが 階段左手は土塁の跡に思えます。
 
 
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 2の丸 と 西の丸を分ける堀底です。 
当時の堀を再現するのではなく、 植栽を植えて庭園の様になってます。
 もこもこして堀の様子がよく解りません。
 
 
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 西の丸 内部の様子です。 周囲に土塁が巡らせてあります。
廓内は若干の勾配があり 排水性(飲料水?)を意識してあるようです。
 
 
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 城郭マニアには有名な 「障子堀」 がこの西の丸周辺では復元整備されてます。
ごく最近堀底の補修が行われたようでして、 障子の桟がきっちりし過ぎる程 成形してあり、 
未だ周囲の遺構と馴染んでない印象でした。 
 
 
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 土橋を渡り、 城郭の最先端の西櫓へ入ります。
障子堀が有名ですが、 案外堀幅は狭かったりします。
 
 
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西櫓内部 10数メートル四方の狭い空間です。  廓というより馬出し程度の役割でしょうか。
 
 
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 土塁から 障子堀を撮影。  いいですねぇ~ 白亜の城と違って華はありませんが機能美を感じます。
   前に見た時より障子の桟が太くなった気がしますが・・・気のせいかもしれません。
 
 
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 何度も載せます障子堀(笑)
※念の為 簡単に・・ 堀底のアミダクジ状の凹凸を障子の桟になぞらえて 「障子堀」 と呼ぶそうです。
              ただ掘っただけの堀底より障害物が多く、 攻め手側の移動が困難になります。
             もっとも、 当時の堀底は、 アリ地獄のように鋭角的に深かったはずです。  
 
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いい加減 「西の丸」 から移動して 「2の丸」 へ向かいます。
 
こちらは 「2の丸」 手前の
 「元西櫓」 と呼ばれる小廓
 
ここは大変狭い空間です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 元西櫓奥へ進み、 空堀を挟んで 「2の丸」 側を撮影。
橋を渡る先には虎口があり、 その左手に土盛りが控え、 当時はここに櫓でも建っていたと思われます。
 元西櫓を馬出しと捉えれば、 ここの防禦は大変厳重な構えとなっています。
 
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 下の池からスロープ状に上がる長い坂虎口です。 「2の丸」 に沿ってルートが湾曲しており見通しが効かない仕組みなってます。
 
 
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 長いスロープを登り切ると、 行く手を塞ぐ虎口があり、 その奥には先ほどの 「元西櫓」 からの侵入を睨んでいた土盛りが控えてます。
ちなみに 左手が元西櫓方面 ・ 右手が2の丸内部。
 2方向からの侵入をここで防ぐ意図だったのでしょうか。 だとすればかなり重要な火点であったはずです。
 
 
③に続きます