この大堀山館跡のある一帯は、 台地上に同じよう方形居館跡が、 かなりの密度で点在してるという謎の多い地域です。 それもかなり無秩序に造られてます。
城郭大系でも付近の遺構を、某館2とか3とか類別するほど、 よく解らないけど何か遺構が沢山あるといった所です。
それら遺構群の中でも この 「大堀山館」 は県の史跡にも指定されてる遺構になります。
それでも、現地の案内板には15世紀に築城されたらしいとの記述はありますが、 用途や築城者は不明の為か一切触れられてません。
本郭南側の堀底
館北側の堀に沿って進む道です。 右手雑木林に空堀が隠れてますが、 訪城した冬場でも藪が大変酷く 奥
まで進めませんでした。 史跡指定と言っても案内板を建てただけ、 内部メンテナンスが行われてる形跡はありませんでした。
現地縄張り図に加筆しました。 図の下が北方面となります。
ただ 外郭ラインに、円弧の形の土塁線の存在が不自然と言えば不自然ですが。
この他に 道路を挟んだ北側にも掩体壕跡があります。
現存する3郭空堀ラインです。
遺構に標識は建てられたものの全く内部は手入れがなされてません。 藪が酷く本郭方面へは反対側からアプローチする必要があります。
空堀は写真映りが悪い典型ですが、深さは1メートル幅3メートル程は残ってます。
不法投棄が目立つ遺構でもありました。
特に3廓空堀は建築廃材等など 酷い有様。
あまり ウロツクと不法投棄に来た不審人物と
誤認されかねないかも?
南側の入口 地図の上側です
この奥に案内板があります
坂戸飛行場時代の誘導路に沿って
本郭内部に出られます。
本郭内部を 後世の土盛りに登って撮影。 内部は藪で荒れた外部と違い 案外開けてます。
同じく本郭。 周囲には高さ2メートル程の土塁が巡ります。
本郭南側の堀底に降りてみました。 現状でも深さ3メートル・幅5メートルはあります。
かなり良好に残されてます。 何処にでもあるような雑木林にこれほどの遺構が隠れていたとは・・
同じ位置から反対側を撮影。 堀底の水溜りが等間隔であるんですね。 水のない反対側も枯葉にかくれた
湿地と硬い地面が交互に存在してます。 これは畝堀の痕跡でしょう。
本郭・2郭の堀跡。かなり埋まって深さ1メートルもありません。
県道から 大堀山城跡を撮影。 このローソン向かいの何でもない雑木林には素晴しい遺構が隠れてます。
東京近郊の平地に築かれながら良く残ってます。 もし 陸軍が少し南に飛行場を建設していたならば、この見事な遺構群は全く消滅していた筈です。
「館」と 名乗るからには何者かの居館跡だという認識なのでしょうが、周囲に密集する遺構等からしても やはり陣城としての用途で築かれたのではないでしょうか。
今回、 付近の他の城館跡にも立寄りましたが 掲載してません。
それぞれが、住宅地に点在する雑木林の中にある関係上、 余りウロウロすると 又々 「不審人物」 と誤認されかねない為、早々に立ち去りました。