ちょっと山城に (正規運用版)

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長井坂城 (群馬県 渋川市)①

 群馬県の城郭3番目は長井坂城です。
 
 長井坂城の位置関係は、 渋川方面からなら利根川に沿って北上する 国道17号(三国街道) が赤城山
 
山麓の地峡部を抜けて 沼田盆地に出る手前に位置します。
 
 立地的には、 河岸段丘の崖面に築かれた 崖端城の形をとっています。 
 
が、  比高100メートルは優に超える桁違いの崖の為に、 現地案内板では 「断崖城」 と明記されてます。  又、
 
地形をうまく利用しており 3方をこの 「断崖」 が囲んでいるので極めて防御に有利な地形です。 
 
 周囲は、 赤城山山麓がなだらかに伸びた高原地帯で ほぼ土地の起伏がなく 現在は長井坂城の
 
2・3廓を含めて一面に高原野菜の栽培地が広がります。 
 
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 耕作地化した長井坂城3郭  
  畑の奥は断崖絶壁です!!
 
   現地案内板によると
  「長井坂城」 は、 旧沼田街道の長井坂にある断崖城で規模は 南北260メートル ・ 東西180メートル 程の囲廓式の山城である。
 「加沢記」 によれば、 永禄3年(1560年) 長尾景虎が関東出馬の際に 長井坂に陣を張り、 降伏した
沼田顕奉(万鬼斎) を引見したとある事や、 城郭構造から看て 永禄期以降の築城と考えられています。
 天正年間の初めに 北条氏の持ち城となり、 近隣の地侍集団が城番を勤めました。
 天正6年(1578年) 真田氏が沼田城を奪取すると、 長坂城は北条方の北方最前線の要として、 両氏の 激突の攻防が繰り返えされました。
 後、 天正18年の小田原城の落城と共に、 廃城となりました。
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 縄張り図、 日本城郭大系の縄張り図に一部加筆 
 図の上・右・左の3方は断崖絶壁です。 
 往時の訪城は崖下から登る沼田街道が馬出し辺りを通りぬけてましたが、 今回は 図右下の農道(広域農道)方面から車で訪城しました。
 
 
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 高原野菜畑の広がる山麓を横断する広域農道から逸れて、 極狭農道(軽トラ用?) を車でトコトコと走っていると唐突にこの 3郭への虎口が現れます。 
  縄張り図右下の 至農道と書かれた地点になります。
 農道化した土橋の左手は空堀、その奥の土塁は高さ2メートル程。 堀・土塁共にツル系の植物がこれでもかと繁殖しており、 到底この時期は立ち入れるものではありません。 
 ちなみに 右手ガードレールの外は既に断崖絶壁です。 草に崖が隠れてます。
 
 
 
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 土橋から3郭外部空堀を撮影。 
 空堀は奥の森まで続いてます、 幅は7~8メートル程度と言った所でしょうか。 
現状は草の海? 草堀です。 しかも夏の日差しで炙られた草から湧き上がる湿気で・・むわっとした生温かい空気が凄まじい状態。
 
 
 
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  土橋を抜けると3郭に入ります。 ここも一面畑となってます。
畑 奥の土塁は2郭です。 手前には空堀も残っています。
 
 
 
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 2郭の土塁を撮影。 右手が2郭で 草ぼうぼうの空堀を挟んで左手の森が3郭になります。
2郭土塁線の折れを撮影したつもりなんですが・・・草が・・
 
 
 
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 広域農道からアプローチされると
この様な荒れた道を暫く進む事になります。
 ツタに断崖やら縁石が隠れてますのでお薦め出来ません。
 一応5ナンバー車で通れましたが・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 長井坂城本丸入口の案内です
埋もれてます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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  駐車場?(3台程停められるスペース) から3廓(土の畑) を撮影。 
奥には 土塁を挟んで2郭(緑の畑)も見えます。   右手前の森が本郭になります。
畑の真ん中奥に見える緑の塊は2郭土塁角の矢倉台 跡と思われます。
 
 
 
 
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 長井坂城紹介では良く見るアングルですが、 反対側はこのような絶景になります。
 普段 何気なく走る関越道ってとんでもなく凄い建築なのだとよーく解るポイントです。
 ちょうど、 城の真下が関越道長井坂トンネルになります。 
 
 
 
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 2郭入口には石碑と長井坂城の由来等が書かれています。
3郭方面に当たる3方が見事な土塁によって囲まれています。 内部の畑は私有地になります。
 石碑があるので事前に縄張り図を調達しないと ここが本郭かと 勘違いしそうでした。
 
 
 
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 右手の森の奥に本郭が隠れてます。 
 
 
 
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 畑の縁に仕切りの空堀があり、 その奥に土塁が伺えます・・・が奥は薄暗くジメっとしており藪蚊が大量発生してるのは確実で 入るのに躊躇いを感じました。
 
 
 
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 同じく2郭内より土塁を撮影。
 
②に続きます