本栖城
訪問 2016年 5月
駐車場 無(付近駐車スペース有)
案内板 有(縄張り図無)
富士の裾野に広がる樹海に築かれたお城の紹介です。
本栖城は樹海の海に突き出す岬のような城山という山の尾根を利用して築かれています。
城山というの山の名前も城があるからですよね、そのままのネーミング。
こんな森の深い所に当時城を築く程に人の営みがあったとはちょっと想像ができずにいたのですが、訪れますと古い街道や関所の跡が城の脇の樹海の中に遺されていたりと、ここに城を築く理由がちゃんとあったようです。
本栖城 狼煙台(?)跡の石垣
城自体の遺構の残存具合の良い事と、麓の街道と石垣遺構などなど・・見所が多い為、今回は城の規模に似合わず3回に分けて紹介します。
個人的に大好きな素朴石垣がふんだんに見られるのが本栖城最大の見所かと。
場所は以下のURLを参照して下さい。
本栖城のある城山は、現地に行けば・・あの山の事だな、と容易に判りますが、そこから登り口を見つけるのが非常に困難。
事前にネットで色々検索してからの訪問でしたが、結局少し迷いました。
後から判ったのですが、廃校になった中学校?への道の脇から山道が延びておりそちらからも行けるようですが、今回は国道139号から直接訪城するルートの紹介から参ります。
本栖城主廓にある付近案内図を拝借。
樹海の中を抜ける国道139号が本栖城のある城山の尾根筋を迂回するあたりに城への入口があります。(左下オレンジ色の加筆矢印部分)
国道300号との三叉路辺りの集落を過ぎると139号は樹海の中を真っすぐに延びています。
やがて国道139号は城山のある尾根筋を迂回する為にカーブの多い区間になりますが、最初のカーブの手前、ガードレールが設置される前矢印の辺りから樹海に入り10m程歩くと本栖城入口の案内があります。
ただし、ここには車を停められません。
前の画像でライダーが写っている辺り、 ほぼ隠れて 見えないですが東海自然歩道の標識があります。
自然歩道は国道とこの場所で立体交差しており、自然歩道沿いに本栖城の入口があります。
国道139号、交通量が多く路肩も狭い為に路上駐車は不可能です。
付近で唯一停められそうな場所が画像の丸囲みの場所。詰めれば3台位までなら駐車可能でしょうかね。
この場所、さきの東海自然歩道の標識過ぎてすぐにあります。ブラインドカーブの先で見通しが大変悪く利用の際の駐車時・発進時は注意が必要です。
さて、車を停めてガードレールの脇から樹海にお邪魔します。
お邪魔という程も歩かずに東海自然歩道にぶつかりますのでご安心を。
ここの自然歩道のアンダーパスも本栖城の入口も国道からは全く見えないんです。
城山の尾根先端部から、本栖城にお邪魔します。
案内板は 町村合併前の 上九一色村と記載されてまして、どうしても某大事件を連想してしまいます。
ひとまず尾根道を本栖城に向かって進みます。
暫くは何もない自然地形です。
比高こそさほどではありませんが、城山はかなり勾配の急な地形です。
少し尾根筋を削平化した様な地形が現れましたが城の一部かどうかは曖昧です。
やがて現れた幅広い尾根筋の地形。 ただし緩やかな登り勾配が残ります。
縄張り図が手元にない為、これが遺構なのか自然地形なのかイマイチ判らず。
幅広緩やかな登り勾配地形を過ぎると、明らかに人為的に尾根筋の両側を削り落し人一人しか渡れない様に狭めた地形が現れました。
これは土橋と解釈してもいいのでしょうかね。
「土橋」を渡りきり振り返って撮影。
「土橋」過ぎるとすぐに尾根筋を断ち切る堀切に遭遇。
堀切は1本ではなく幾重にも厳重に構えられています。
最後に控える巨大堀切。
堀切の法面は荒々しい自然岩盤で迫力満点です。
この辺りから本栖城の荒っぽい魅力が出て来ます。
堀切の底から城内側を見上げて撮影。
岩盤の上に黒っぽい物が幾段か積み上げているのが判ります。
実はこれ石積みなのですが、ぱっと見は黒い土嚢袋を積んで遺構の保護をしているように見えてしまいまして・・
と、言うのも城山の岩盤はこの様に白っぽいんですね。積んである黒っぽい石積みは麓の樹海なら幾らでも転がっている富士山の溶岩。明らかに違います。
黒い石は石積みの為に麓から運び上げたとしか思えないです。
石積みを拡大するとこんな具合です。
板状に成形して積み上げています。
堀切の上端に立って堀底を撮影。
本栖城2に続きます。