ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

鎌田城 (静岡県 伊東市)

鎌田城

 
訪問 2016年 1月
 
駐車場 有
案内板 有(県道沿い)
 
 久しぶりの更新です。
下田城の次に訪城した伊東市の鎌田城を紹介します。 城山の山頂部と尾根筋に築かれた本格的な山城です。 
 
イメージ 1
 鎌田城から眺める奥野ダム
 
 
場所は以下のURLを参照して下さい。
 
 

 
県道12号沿いにハイキングコース入口があり、城山山頂へはそこから目指す事になります。 そこに縄張り図等がありますので解説文を掲載します。
鎌田城

この背後の城山(標高318,4m)の山頂部およそ15,000㎡は中世の山城跡です。
 
 平成14・15年度の伊東市教育委員会による発掘調査で、城内の各所から掘立柱建物跡が検出され、中国製青磁碗・常滑焼の甕・瀬戸焼のすり鉢や皿・カワラケ・鉄製小刀などが散乱した状態で出土しました。
 
 これらの陶磁器類はは、いずれも15世紀後半の室町時代のもので、城内に茶の湯をたしなむ位の高い武市がいた事を示しています。
 
 この城は、左図(※縄張り図)に示すような複雑な廓を配置していますが、外側を高さ2mほどの土塁と深い空堀で防禦して、内側には雨水排水用の小溝で区切る平坦面を造成している構造が判明しました。
 
 排水溝を埋めていた土には火災に遭った痕跡があり、土塁の上には投石用に準備された石も残っていました。

 遺物の出土状態や火災の痕跡から戦乱によって落城した城とみられ、15世紀後半という年代観からは、在地の有力武士である伊東氏が北条早雲の伊豆侵攻に際して抵抗した場所と推定されています。
※城の構造に関しては「静岡の山城ベスト50を歩く」によると1590年に起きた、豊臣秀吉による北条氏攻めの際の整備・改変の可能性が指摘されています。
 
イメージ 2
  丸で印を付けた「現在位置」から鎌田城を目指します。 
トンネルの手前、奥野ダム・ダムサイトへの分岐直前に看板があります。
 
 山頂まで40分と書かれていますが実測で30分位でした、勾配もきつくなく登山道というよりもハイキングコースと言うのがふさわしいですかね。
 
イメージ 3
「現在位置」の様子です。 広い砂利駐車場の奥に山道があります。
 
 今回、この砂利駐車場に車を停めてしまったのですが、どうやらここはトラック等を停める私有地だったようにも思えます。
 車は奥野ダムの駐車場を利用された方が良いと思います。
 
イメージ 4
現地縄張り図を掲載します。
 山道を登ると尾根筋を断ち切る、図左上A地点の鎌田城警戒ラインの堀切を目指すことになります。
 
イメージ 5
 ハイキングコース途中にある炭焼き釜跡。 城とは無関係ですが一応掲載。
 
イメージ 6
 麓から25分程で A 地点の堀切に到着。
極浅い堀切が城主要部から離れた地点に一本築かれています。
 ここから更に尾根道を登ると超絶技巧的な虎口を見られます。
 
イメージ 7

 超絶技巧的と書きましたが写真に納めるとこの有り様で・・何だか良く判りませんよね・・20の辺りから19とその奥を納めたのですが。この2重の虎口は面白くって暫くあっちこっちのアングルから眺めてました。

 
イメージ 8
19の射撃陣地から虎口を挟んで土塁を撮影。 城側は画像左手になります。
 土塁左手は堀切が一直線に尾根を断ち切ってその先は竪堀になって続いてます。
 
イメージ 9
 同19地点より城内側を撮影。 正面の切岸面の上は廓4になりますが、導線は横に迂回しています。
 
イメージ 10
 道なりに進み廓5の東側を防禦する空堀の堀底から撮影。
 画像左手が廓5で 空堀挟んで右側は緩い尾根筋にあたるので、防禦的には何かもう少し廓を配したいとのですが何故か自然地形の緩斜面がそのまま残されています。 
その分、この空堀は鎌田城の中でもかなりしっかりと掘った空堀で見ごたえがあります。
 
イメージ 11
 堀面を無理やり登り廓5に到着。きちんと平面が削平されています。
 右手切岸上が廓1~3の主廓部。
 
イメージ 12
 1~3の主廓部は土塁によって仕切られています。 
 主廓と、言いましたが主だった平坦地はこの鎌田城はで1~3の廓だけなんですが。
 因みに今日この土塁線上には神社があります。
 
イメージ 13
 神社への参拝者は絶えて久しい様子。 もう荒れ放題で倒壊寸前。
お邪魔しているので参拝はしましたが今にも崩れそうで近づけないです。
 
 
イメージ 14
主廓部からは伊東市方面と相模湾が見られます。 ちょっと海岸からは遠いですが
 
イメージ 15
廓2の先端部の様子・・・・です。
 急に変な話ですが・・いわゆる「霊感」と言うものは余り持っていないのですが、この場所に立った瞬間に誰かに見られている・と言いますか誰かと一緒に登って来た感覚になって(この時は一人で登って来ましたが)とりあえず1枚撮りました。 
 この妙な感覚は栃木の烏山城以来です。
 
 
イメージ 16
もやもやしたままですが6廓を目指します。
 画像では写ってませんが奥ある堀切の先に廓6があります。
 
イメージ 17
 廓6からは絶景が広がります。
廓7・8はこの草むらの絶壁下なので断念しました。
 眺めは良いのですが吹きさらしで非常に寒かった記憶があります。
 
 
イメージ 18
場所を一転して廓9~10辺りの様子。 かなり地形が曖昧になっており判りにくいです、写真に納めると判りにくさは尚更。
 

鎌田城の評価は 4 とさせて下さい。
 
城の規模は主廓とそれに付属する小廓、それに尾根筋を断ち切る防禦構造という小規模な城郭ですが、尾根筋の導入部の複雑さは見ごたえ十分。
 山頂部に築かれた山城ですがハイキングコースは良く整備され登り易いです。
神社を何とかして貰えればもっと良いのですがね、なにやら妙な感覚になったのもあの尋常ではない雰囲気があると思うのですが・・