ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

蒲原城 (静岡県 静岡市)

 
訪問 2014年 1月
 
 静岡編第2弾は蒲原城です。
原城富士川西岸部に築かれた山城です。
 
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原城本廓石碑
 
 室町時代に今川氏によって築城されたと伝わる蒲原城には特定の城主はなく都度、城代・城番が置かれていたようです。(現地案内板より)
 
 また「静岡の山城ベスト50を歩く」によると、北条氏と今川氏が富士川以東の駿河国(河東)を巡って対立関係にあった時には、富士川を挟んで北条氏と対峙する前線の城として機能していたようです。
 
 永禄11年(1568)武田氏による駿河侵攻の際には駿府急襲を急ぐため蒲原城は攻略されず城は今川氏側に残り、その後北条氏信が率いる北条氏の援軍を加え城の拡張や改修が行われたと思われるようです。
 
 しかし翌年、武田方の総攻撃に遭い蒲原城は落城 北条氏信らは戦死したと伝えられています。
 
 その後武田氏による改修が行われたとされますが、戦略的な位置から外れた蒲原城は以降歴史の舞台にあらわれる事なくなります。
 
 ざっくりまとめると 
今川の対北条用の前線城郭
今川残党と北条援軍の 対武田氏用の駿河奪還拠点
武田氏の持城
前線が遠のくに従い廃城
 
でしょうか、あくまで私見ですが。
 

 

 

 

 旧東海道(県道396号)から訪城する場合は、新蒲原駅近くの三叉路(角に日本生命のビルあり) を折れて北上し暫く山道を登ると左手に蒲原城の案内と数台停められる駐車場があります。
 

 
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ここが入口。 左手に駐車場完備です。 この先は徒歩になります。
 
 
 
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民家の裏を歩きます。  どうやら尾根道らしいのですが右側は酷い藪でさっぱり解りません。
 
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現地鳥瞰図を掲載。
 縄張り図が欲しい所ですが・・駐車場は図右下の搦口付近。
 
 
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鳥瞰図右下に記載された空堀と思しき「大空堀
 ここも藪々で全く解りませんでした。
 
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空堀を過ぎるとしばらくは山道となります。
 登り切ると この様な腰廓に遭遇します。
 ここは北廓直下の腰廓になります。 土塁は復元されたもののようです。
 画像左端に石垣が写っていますがこれも復元に思えましたが確信はありません。
 
 
 
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腰廓は北廓をグルット周りこんでいます。
 
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北廓と本廓を隔てる堀切です。
 切り立っていますが法面は整備された痕跡があります。
 
 
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整備中の打ち捨てられた看板・・・未完成のまま放置された雰囲気が漂います。
 
 
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北廓へ至る坂虎口。
 
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北廓内に再現されている逆茂木。 コンクリ製です。
 斬新な試みだと個人的には評価したいのですが、鹿の角を並べているようにも見えます。
 
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北廓全景。 
 
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腰廓から本廓を目指します。
 
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本廓内部の様子。 整備に伴う地形の改変はなされていないようです。
 
 
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本廓から見える絶景。 
 海から吹く南風が1月とも思えないほどの温かく日差しもたっぷり、寒い甲府盆地から来た武田方にはどう感じたかが気になりました。
 
 足元に東海道線国道1号東名高速が走り今も交通の要衝でもあります。
 
 
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本廓からみた北廓、手前は先ほどの堀切。
 
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本廓内部の微妙な地形の高低差。 
 
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2廓方面への道は完全に途切れておりここで引き返しました。
 
 

 蒲原城の評価は3とさせて下さい。
 
 遺構は申し分ないのですが、入って行ける範囲が限られているので評価は若干辛目です。