石神城
訪問 2019年1月
駐車場 有り
案内板 有り
少し更新遅れましたが、茨城編は今回の石神城で一旦終了です。
こちらも額田城同様に茨城県で有数の中世城郭と言ってもよいでしょう。
それだけの遺構が残されてます。
石神城主郭空堀
場所はいつものようにぐーぐる先生にお任せ。
城の立地的には、前回までの南酒出城・額田城と同じく、段丘凸部を利用し築城されてます。
こちらが現地案内図です。
広大な外郭部もあったようですが、今回見学したのは1~3の主腰部の郭のみ。
赤丸で加筆した所に専用の駐車場が用意されてます。
城西側の集落から、案内標識があちこちにあるので迷う事はないでしょう。
現地案内板から 石神城の紹介を掲載します。
石神城の歴史と構造
歴史
石神城は中世においては佐都西郡石神郷に位置し、東には蛇行していた久慈川が流れ、南北を深い谷地に挟まれた要害の地に造られていました。
この城が歴史に登場したのが永享4年(1432)の石神合戦の時ですが、小野崎越前三郎が城方を攻めて鎌倉公方の足利持氏より感状を与えられています。
文正2年(1467)ごろには、小野崎越前守がこの城の城主となっていましたが、天文4年(1535)には石神小野崎道長による「石神兵乱」が起こり佐竹義篤は同族の額田小野崎篤道にこれを鎮めさせました。
しかし、天文16年(1547)には両者は所領の境をめぐって再び戦い、城は落ち道長は城を退去しました。
しかし、その後石上小野崎氏は佐竹氏への戦功により帰城が認められ、永禄元年(1558)~3年にかけて石神外宿の石神城鎮守守住吉神社を再建し、戦死した一族の菩提のため、願泉寺などの3か寺を建立しました。
慶長7年(1602)に佐竹氏が秋田に移封されると石神小野崎通広も秋田に行き、石神城は廃城となりました。
構造
石神城は東に久慈川を除く本郭(1郭 遠見郭)、Ⅱ郭(御城)、Ⅲ郭 を中心に、その北西に北郭(領主屋敷)を置き、その西に城下町である総構えを持っており、その中は道路に沿って上宿・中宿・下宿と区画され、観音寺(城主の祈願所)が置かれ、西表が大手口となっていました。
また、南の谷地の外側には長松院(城主の菩提寺)を置き外郭としました。
石神小野崎、額田小野崎と小野崎氏が連発するのでちょっと判り難いですねぇ。
小野崎氏について興味のある方は下のリンクをどうぞ。
前置きが長くなりましたが早速車を停めてお城を目指します。
今回は西側の駐車場を利用させてもらいました。
城跡は石神城跡公園として整備されているようです。
早速現れる巨大土塁に目が行ってしまいます。
3郭を守る巨大な空堀。
堀の幅は額田城に引けをとらない・・と言いますかこの2城、親戚同士で張り合って巨大化したのかも??
土橋を渡って3郭内部にお邪魔します。
あ・・この土橋は当時のものですかね?
車が通れるようになっているで拡幅されてるかもしれません。
土橋の上から2郭方向を見て撮影。
空堀を挟んで右手が3郭内部。
左側は帯郭、帯郭左側は段丘面を利用したこれまた巨大切岸が続きます。
段丘崖面を切岸に加工して終わらせるのではなく、更に横堀を巡らせて防禦力を強化してるのが石神城の特徴でしょうか。
3郭内部の様子。
まぁ 広大な平坦地です。
3郭から西側を撮影。
城外側の方が高くなっているのがちょっと不自然に感じましたが、 当時は土塁が高くそびえていたと妄想。
さて 2郭の方にもお邪魔します。
土橋の中ほどから空堀を撮影。
背の高い土塁を巡らせているのも石神城の特徴でしょうか。
土塁分の高さが加わるので余計に空堀が深く感じます。
土塁線から撮影した2郭内部の様子。
こちらは主郭と2郭を隔てる空堀・・だったと記憶。
2年前の撮影なので この辺りの記憶が曖昧になってます。
堀に「折れ」設けられ見通しが悪く仕上げられている点が興味深い。
土塁線上から空堀を撮影。
この土塁など、あまり風化が進んでないように思えますね。
限りなく城が現役の頃に近い状態じゃないでしょうか?
こちらは主郭北側にある駐車場です。
トイレ付でありがたい。
段丘崖面下から主郭方向を見上げて撮影。
現在は水田地帯ですが当時は久慈川の氾濫原のような所だったんでしょうかね。
北側の帯郭外側に沿って歩いて戻ります。
帯郭の切れ目から堀底に入れますね。
入れますが、こんな所から突撃したら寄せ手は殲滅されそう。
石神城の評価は 5 とさせて下さい。
巨大な空堀と土塁に組み合わせによって訪問する城マニアを圧倒する石神城ですが、縄張りの技巧性も特質すべき点でしょう。
空堀には折れを設けて見通しを悪くし、帯郭と横堀の組み合わせによって迷路状に仕上げられてます。
堀底に迷い込んだ攻城側を殲滅する意思を強く感じます。
主郭部は、額田城に比べれば非常にコンパクトにまとめられており、一見小規模な城郭に思えますが敢えて城域を絞っているとも解釈できます。
城の縄張り好きにとっては妄想が湧き、興味が尽きないのが石神城かと思われます。