城郭ライターのいなもとかおりさんが主宰するお城ツアー「リアルぽちっと滝山城」に初参加してきましたのでその模様をちょこっと報告します。
ツアー内容は、城郭研究家として著名な西股総生氏がガイドとして実際のお城を回りながら解説してくれるという お城好きには垂涎の企画です。
大変人気なようで毎度すぐ定員いっぱいになります。
参加した動機は、いつも気ままに勝手な妄想で縄張りを解析していたので、一度は専門家の解説を聞いてみたい という事。
複雑な加住丘陵の地形を利用して築かれた大規模な丘城で、北条氏の築城技術をつぎ込んで築かれたその縄張りは極めて技巧的。
しかも開発による破壊から逃れほぼ完全な姿で当時の姿を残す貴重な中世城郭遺構になります。
さて、 参加したのは1月27日の部 。
詳しい模様はオフィシャル㏋にも掲載されてます。
早速当日の模様です。 参加者は25名程とのこと。
午前中は別会場で座学、昼から滝山城へ移動というスケジュールでした。
画像は座学会場から滝山城へ徒歩で移動する所。
座学の内容は滝山城の解説や、山城の撮影テクニックなど実践的な内容でした。
撮影テクニックについては、お城を撮影したのに戻って確認すると藪の写真集になっていた・・・というありがちが失敗を防ぐ内容などなかなかにマニアック度が高いものでした。
まぁ これからは多少マシな写真が撮れる事でしょう・・
いよいよ 滝山城へお邪魔します。
滝山城は今回で4回目、ほぼ見尽くたと思っていたのですが・・・
こちらは大手付近の横堀を解説している様子。
今でも壮大な規模を誇る空堀ですが、平均して2mは堀底が土砂で埋まっているそうです。
反対側。 小宮郭を守る横堀の様子。
ここは立ち入り禁止の措置が取られてます。 ・・・以前は入れたのに残念ですが、滝山城は公園整備がなされていても多くは民有地という事で 色々事情があるのでしょう。
作業車用の道路整備によって動線がカーブを描いてます。
そこで、本来の動線の折れをロープで再現している様子。
これぞ 縄張り ですね。
笹藪の中で解説している西股先生。
実は「生」西股先生はこれで2回目? 八王子城で以前とてもよく似た人とすれ違った事があります。
参加者の皆さん ガンガン笹藪に突撃していきます。
千畳敷奥、二ノ丸との間にある角馬出。
ここで、カラーボールとおもちゃの弓を使っての馬出し攻防戦を再現。
枝を持って二の丸桝形虎口に突撃する参加者。
私は守備側なので撮影は虎口を守る守備隊目線ですね。
大池脇の竪土塁。
登り石垣の土バージョンですかね。 それにしても土塁の規模が大きい。
その奥に残る障子堀。
4回目にして初めて見ますね、やっぱり見落としはあるもんです。
堀の規模が大きいのでアングルに収まりませんねぇー
やっぱり広角レンズが欲しい。
中の丸全景とトイレ。
このトイレ付近は大規模な盛り土工事の末に造られているそうです。
滝山城へお越しの際はトイレにも注目 という訳です。
本丸桝形虎口での解説の様子。
当時は排水と見栄えの為に石敷であったそうです。
土塁で囲まれた郭では雨水の配水問題があり、その為に石組の側溝が設けられていたとの事。
本丸裏側の搦め手まで見て回ります。
裏側も枡型虎口と角馬出しの組み合わせで守られています。
ただ規模を抑える事によって、少人数での防衛を意図しているそうです。
なるほど としか言いようがないですね。
枡型の土塁線は枡の内側だけではなく、外側への攻撃へも対応しているそうです。
と ざっくり以上ですかね。
3時間以上は回ってましたので他にも様々な話がありましたが載せきれません。
総括的に言うならば滝山城は徹底的に横堀を防禦の主体とした城郭である という事でしょうか。
堀切で済む所も、敢えて土木量が莫大に増える横堀を巡らせて火力戦闘に対応している そうです。
城造りの進化の系譜を踏まえて訪城すれば今後の城巡りがより面白くなるかもしれません。
最後に
今回のツアーを企画されました皆様に感謝申し上げます。