ちょっと山城に (正規運用版)

ヤフーブログからの避難民です

造海城 (千葉県 富津市)2

 

 ではでは 造海城の続きと参ります。 

今回は合計で3回に分けての紹介となりそうです。 ダラダラと紹介が続きますがお付き合い下さい。
 
 
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又しても借用させて頂きました、余呉さんのHPからの精緻な縄張り図。
 現地を歩いて本当に良く描かれているのが実感できます。
 
撮影地点が判り難いので縄張り図に順路を加筆させてもらいました。
前回の1が赤のライン、今回が橙色のラインになります。
 
 造海城は浦賀水道に突き出すような独立丘陵を丸々利用して築かれてますが、灯籠大師のある尾根1本で背後の房総丘陵と接続しているという、守るによし、退却するによしの 城を築く為に造られたような地形をしてます。
 
 
イメージ 2
前回の岩盤虎口を抜けると浦賀水道方面には土を整形した段郭が幾重にも巡らせてあります。
 
 
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少し降りますとここの切岸面は石積みで補強されいるのが判ります。
 苔の生え具合がいい味を出してます。
 
 
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何段か降りて見上げて撮影。
 
 自然地形の岩棚と石積が組み合わさり段郭を構成してます。
それに加えて真冬でも落葉しない温暖な常緑樹の木々が他の関東の山城とは一線を画す光景を演出します。
 
 
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そろそろ土橋を渡り5から7の郭へ移動します。
 
 
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造海城の現住所ですかね、ナビでセットすればここまで行けるのか??
 
 
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5の郭手前の無名郭を見上げて撮影。
 ここの切岸面も岩盤を削り込んで造られています。
 
 
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別のアングルからもう一枚。
 岩盤削りだしの郭。
 
 
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そして5郭内部の様子。
 ジャングルのように茂ってますが中々の広さが確保されてます。
 
 
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 内陸側の郭端部には土塁が巡らせてあります。
 
 
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5郭から下段の6郭へ直接アクセスできる虎口があります。
 特に工夫の見られない坂虎口ですがここも岩盤をえぐるように坂道が設けられてます。
 
 
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別の坂虎口から6郭を目指します。
 この虎口は大規模に岩盤を開削してますね、造海城は本当に見ていて飽きない。
 
 
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6郭から7郭へは段々の小郭を下ります。 かなり海が近いのか波の音が聞こえ始めます。
 
 
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 折角なので海を見ようと岬状の郭の先端を目指します。
 
 
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海面が見えた記念に撮影。
 波は穏やかでしたね、画像には納められませんでしたが、ここから対岸の三浦半島は案外と近くに見えました。
 
 
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 そして7郭には瓦が散乱してます。
幕末期、ここ造海城跡には海防の為の砲台が築かれていたそうです。
 
 恐らくはその時の建物の瓦か、近代にあった全く別の建物に用いられていたものでしょう。
 
 
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これが7郭に残る幕末期の砲台跡だと推定。
 時代が異なっていてもこの地が海防の要地にされていたのは実に興味深いですね。
 
 
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砲台付近に残る古い石積み遺構。 石の埋没具合からこれは造海城時代のものかも。
 
 
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虎口を登って6郭から5郭へ戻ります。 ここは先程の岩盤開削坂虎口です。
 
 
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一旦戻ります。 これは途中で見つけた割りかけたままの岩。
 矢穴を開けなくともノミを打ち込めば簡単に割れたんでしょうかね。
 
 
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造海城1 の最後に紹介した岩盤虎口付近まで戻りました。
 足元の郭には井戸跡が見えるのですがここからは降りられません。
 
 
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一旦尾根道を下り、井戸跡のある郭まで回り込むことにします。
 尾根は根本を土橋状に幅が詰められてます、ここは石積みで補強がなされています。
 
 
造海城3 に続きます。