ではでは更新ペース早めで林大城の続きと参ります。
今回は 赤丸の小郭が尾根沿いに延々と続く辺りの紹介です。
Ⅲ郭に車を停めてると、1直線に尾根道を下って麓まで降り、戻る時には再び同じ道を登る必要があってかなり面倒な事になるのですが、是非ここも見て頂きたく思います。
Ⅲ郭土塁線上の虎口から尾根道が延びていましたので、早速降りてみます。
尾根沿いの一本道が続きます。 道の両側は削平化された小郭が連続しております。
しかもこれがもの凄い数。
各郭のはこのような切岸で隔てられています。
各郭間の虎口はどうなっていたのか・・山道からは良く判りませんでした。
小郭群は20段以上はあるんじゃないですかね、途中で数えるのを止めました。
防衛の為というよりも尾根筋に平坦地を設けるのが目的と思われましたが、1か所辺りの面積は大したものでもなく家臣の屋敷地というのはどうも違う気がします。
屋敷というよりもっと簡単な住居か倉庫か・・そんな施設ならあり得なくもないですが、強風を真面に受ける尾根筋なんて人が住むには不適当ですし、水の供給や排水の処理などの日常生活が営めたとはどうも思えないんですよねぇ・・
そんな事を考えながらBの堀切まで到着。
画像は堀切の手前に控える大型の土塁。
画像斜め右側が尾根下側。
ここが尾根沿い団地の事実上の防衛線ですかね。
土塁端に山道が降りていて、土塁を過ぎた所で振り返って撮影。
山道を斜めに石列が通り抜けていますが・・これは当時の土橋か石段の痕跡でしょうか?
土塁先の堀切Bを真横から撮影。
画像左手が先ほどの土塁、堀底に崩落した石積の石が多数転がっています。
土塁法面に残る石積の跡。
土塁線に登ると上部には石が散乱しております。
ゴロゴロっとした石が続いております。
堀切の先はそのまま竪堀となって麓方面まで続いているようです。
反対側から堀切を挟んで土塁を撮影。
これだけの石の量からして当時は石積みで固められていたんじゃないですかね?
この堀切B、個人的には林大城での一番の見どころポイントかと・・そんな訳でして写真も多めです。
堀切から先に進むと一の門跡という地点にたどり着きます。
縄張り図だとAの竪堀の辺りです。ここには東屋が建てられています。
実際に門があったかどうかは判らないそうです。
一の門跡を過ぎると急に視界が開けてきます。
松本市街地方面を向いて撮影しました。林大城の麓を流れる薄川と堤防沿いの松並木が足元に見えます。
この辺りで雨が降り出してきてレンズに水滴がついています。
道なりに下ると林城登り口に至りました。
場所は林大城1で紹介した金華橋の向かいです。
標柱脇にあるポストに案内図が収められています。
再び登場のポストに入っていた散策マップ。
実は裏面に詳細な解説が載せられています。
林大城入口を遠景から撮影。 画像奥が松本市市街地方面。
最後に 車を停めた場所に戻る途中、林大城を見上げたアングルで撮影。
所要時間は1時間半でした。
林大城の評価は 3.5 とさせて下さい。
2回に分けて紹介した割には渋めの評価です。
攻め寄せる敵を粉砕する役割ではなかったのか、ぎちぎちの防衛というより尾根沿いに平坦地を確保するのを優先させる意図が感じられました。
周辺の山城群の司令塔的な位置づけだったのではと勝手に解釈しております。
あちこちに残された石積遺構も見所の一つと言えるでしょうね。